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2014.11.18

衣笠・BKC ビブリオバトル開催報告

ニュース

BKCビブリオバトルレポ-ト(2014年10月28日)

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10月28日の16時半より、リンクショップでビブリオバトル予選会が開催されました。
司会はスポ-ツ健康科学部の片桐さんです。少しづつ人が集まってきました。さあ、開会です。

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最初は、情報理工学部院2年の近江さんが登場されました。山が好きということで、雑誌の「岳人」を紹介されました。なぜなら登山家加藤文太郎の特集がされていて、そこに注目したそうです。加藤文太郎さんは大正から昭和にかけての登山家で、冬山ではパ-ティを組んで複数で登るのが当たり前なのに彼は一人で登るスタイルの人で、そこに真摯な魅力があふれているとのことでした。近江さんも彼のたどった六甲山、須磨、宝塚あたりの山々を歩く予定があるそうです。ぜひ彼のたどった軌跡を追体験し、残していきたいとのことでした。岳人には、加藤文太郎『単独行』谷甲州『単独行者』新田次郎『孤高の人』が紹介されており、ぜひ読み比べてほしいと語ってくれました。

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二人目に登場したのは、生命科学部3回生の柳井さん。
辻村深月さんの『僕のメジャ-スプ-ン』は、人を思い通りに操れる不思議な力を持った男の子が登場します。仲良しの女の子がいるのですが、彼女がうさぎのバラバラ死体に出くわし、パニックとなる事件が起きます。それは慌てふためく彼女の姿をビデオで取るような異常者の犯行でした。それから彼女は、声も出せない、学校にも行けなくなります。
少年は心理学の先生に彼女を救うには、どうしたらいいのか問いかけます。そして犯人にどのような罰を与えるべきなのか考えます。そこには正義とは何かを考え、自分が悪いことをしたと罪の意識の意識を持てないことが問題だと行き着きます。彼はメジャ-スプ-ンで何を量り取ろうとするのか。大変深い物語ですと語ってくれました。

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三人目は、スポ-ツ健康科学部の片桐さんが登場されました。
内田樹さんの『街場のメディア論』を挙げてくれました。片桐さんは電子書籍で本を読むそうです。最初は本との違いにめちゃめちゃ抵抗があったそうです。電子書籍は空間的な存在になれません。例えば本が並んだ本棚というのはそこにいる人がどんな人間なの透けて分かります。ビブロバトルの面白さも本を語る様子で人がわかることにあります。電子書籍の弱点は人が伝わらないことだと思います。例えば大学教授ですが、たくさんの本を買います。でもすべてを読めません。そこに本たちからの無言の圧力が始まります。またテレビや新聞の報道はお互いを批判することをあまりしません。批判するということはメディの質を保証するということです。そうしたメディアの実態や課題を本から考えさせられたとのことでした。

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四人目のバトラ-は、薬学部1回生の宇藤さんでした。彼女はビブリオバトル初めての参戦とのことでした。『東大教授が教える独学勉強法』という本は、高校へ行かずに通信制で勉強して大学教授になった方が書いた本ですが、勉強とは何かということが語られています。人生は知識の詰め込みではやっていけない。得た知識を自分でどうアウトプットするのかの方法を得ることが大切で、今だとFNSなどいろいろ場はあるけれど、そこで自分が学んだことを自分の言葉で語る、すると他人に見てもらえる、反響がある。そこが大切なんだと学べましたとのことでした。

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熱心な討論を経た後、参加者16名の投票で生命3回生の柳井さんがチャンプ本となりました。おめでとうございます。11月15日の地区決戦でも活躍してくださいね。

衣笠ビブリオバトルレポ-ト(2014年11月11日)

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2014年11月11日の夕方、ふらっとでビブリオバトル予選会が開催されました。

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最初の発表者は、文学部2回生の成田さん。
平山夢明さんの『ダイナ-』を紹介してくれました。殺されかけて「私、料理得意なんです!!」と言ってしまった言葉がきっかけで、殺し屋専用の会員制食堂のウェイトレスになってしまった主人公。
この本のよさは、第一に世界観が魅力的であること。アンダ-グラウンドの世界を描いているというのが怖いもの見たさで知らない世界を味わう魅力があるとのことでした。第二に、食べ物がとてもおいしそうで、凄惨なお話ではあるけれど、バ-ガ-ひとつとってもパテのジュ-シ-さ、チ-ズのとろけ具合など、ものすごくおいしいというのが伝わる描写が出てくるとのことです。
そしてこれは生と死の対極を描くという稀有な小説で、人生生きている時には、休息が必要だなぁとか考えさせられたりもするそうです。読むと止まらないエンタ-ティメント小説だそうです。

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2番めの登場は、社会学院の板倉さん。
森見登美彦さんの『恋文の技術』を紹介してくれました。みなさんは、本を買うときハ-ドカバ-と文庫判とどちらを買いますか。僕はこの本を両方持っています。魅力的な本は、持ち歩き用と家でゆkjくり手に取る用で持ちたいです。手紙を小説にしているといえば、名作で言えば『こころ』の最終章ですね。この本も手紙で各章が綴られていますが、時系列では無くて「誰に」送ったかでまとめられています。話が見えづらいとも言えますが、同じ話を別の角度で味わえますし、手紙の魅力に気づかされます。普段私たちは、連絡を取るのにメ-ルでサッサとおこなってしまいますが、手紙だと用事が無くても、どうでもいいことでも、永遠と続けられる、そうしたことができるのが手紙の特徴であり魅力です、と強調されていました。こんなことが自然に行えちゃうのも、乙な話ですね。
森見さんらしく、登場人物が手紙を書いていて、最初はとてもまともな手紙だったのに、もっとよくしようと変えていくととてつもなく変なものになっていくとか、そこは森見さんの魅力が満載です。
また読みやすい文体ですし、京都の話なので、京都の大学生である我々にはいろいろ想像がしやすい。
この本を読むと誰かに手紙を書いてみたくなります、とのことでした。

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 3番めの方は、スポ-ツ健康科学部の片桐さん。
「僕はトトに当たりました!」「小栗旬とはいとこです!」信じますか。でも信じてほしいのが近藤誠さんの『がん放置治療のすすめ』です。とおっしゃいました。現在、がんには2人に1人がかかり、3人に1人が死ぬという病気です。ここで言いたいのは、何も知らずに治療を受けるのは怖いということです。がんという告知を受けると、まず手術という外科療法が提示されます。でもクォリティ オブ ライフを尊重するということからすれば、もし胃がんだと言われても症状もでないうちに胃を切り取られて、食べたいものも食べられず、衰弱して死んでいくというのはどう思われますか。
がんの分裂というのは、後期になればもっと活発になりますが最初は半年に1回位の分裂です。50代で発見されるとすれば、もうがんは20代でできているということになります。
そこでこの本なのですが、常識をぶち破っていること、しっかりロジカルに書かれているということがとても魅力的です。死に直面して考えた時に放置治療を選択できるかということなのですが、抗癌剤というのは、がん細胞を殺す昨日がありますが、それは正常細胞も殺すということです。副作用が出てきます。がん細胞を消し去るほどの量は使えないのです。医者は使用を勧めますが、そこは医療のブラックな部分もあります。また放射線治療も、どのくらい1回にあてるかの基準値のあり方など、患者も知って使用していくことが必要です。またこの治療は放射線技師のテクニックが大きく作用します。などこれまで真正面から考えてこなかったテ-マをスポ健で学んだことも含めて披露してくれました。
 
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4番めは、文学部3回生の不破さん。
有川浩さんの『塩の街』について熱烈に語ってくれました。この本はSFチックな感じでサクッと読めるところが魅力です。最後に「世界が終わるまで人々は恋をしていた」とあるように恋愛を含めた愛情がテ-マのお話です。ある朝、起きてカ-テンを開けたら周りがすべて塩になっていた。最初のところで男の人が塩になった女の人を連れていて、一緒に海に入っていきます。それは、他の男の人と結婚が決まっていた女の人が塩害に侵されて、死を迎える前、どうしても一緒にいたい人と気づいた男の人に「やっぱりあなたが好き」と告白して、男の人もそれを受け入れて大切な人と一緒に海へ溶けてしまおうとするのです。そうしたプロロ-グから、この本のテ-マが見え隠れします。本編は、主人公が理不尽なことも含めて戦っていきます。その原動力は愛情なのです。最後はハッピ-エンドなので、ぜひ読んでほしいということでした。

さぁここで終わり!!となったときに、参加者の中から、発表したいと手があがりました。

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5番めの発表者は、文学部研究科の山本さん。
高田崇史さんの「G.E.D東照宮の怨」を薦めてくれました。現代に起きた殺人事件と古代の謎を絡めて事件が解決されていくというスト-リ-で、面白いです。歴史というのは覚えるもの、暗記をするものと思ってきましたが、考えてみることが大切だと気が付きました。このシリ-ズは神社との関わりが深くて、日本全国の地方が舞台です。なので読むことがそのままガイドブックとなります。
G.E.Dというのは、証明終了という意味でもとはラテン語だそうです。主人公は薬剤師なのに、歴史に詳しくて、古代の問題に関わって謎を説いているうちに、現在の事件も解いてしまうというパ-タンが小気味いいです。ぜひ手に取ってみてください。


5人のバトラ-のプレゼンが無事終わり、投票に移った結果、『恋文の技術』をお勧めした板倉さんがチャンプ本となりました。地区大会で活躍されることをお祈りいたします。