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2016.10.04

衣笠・BKCブックカフェ開催報告

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BKCブックカフェレポート
衣笠ブックカフェレポート

2016年9月27日(火)衣笠ブックカフェレポート

後期開講2日目の9月27日(火)。衣笠キャンパスブックセンター「ふらっと(の事務所)」を会場に衣笠キャンパスのブックカフェを開催いたしました。文学部、産業社会学部、法学部から、総勢10名の参加で活発な会となりました。カフェで話題にあがった本を紹介していますので、選書の参考にしていただければと思います。

【今回のカフェでは、こんなタイトルが話題になりました】

●『小説家になろう』を読みました。男女異世界ものに分類されるライトノベルです。転生した主人公が後悔しない新しい人生をおくれるのかというところが魅力です。
●『サクラダリセット』は見聞きしたことを完全に覚えている「記憶保持」と最大3日間分を疑似的に巻き戻せる能力を持っています。注目はライトノベルのレーベルで出ていたものが新装版で一般レーベルで出たことです。
●夏休み下賀茂の古本市で『半七捕物帳』を破格の値段で買いました。ゆっくり大切に読んでいます。
●「ロボット」の造語をつくったチャペックやセルバンテスを読みました。それと印象にのこったのは、オスカー・ワイルドです。現実ばなれした描写に惹かれます。
●『ハーモニー』は世間の評判が定着しているので読み始めました。幸せを求める管理社会の話でデォストピア小説の一つです。

●『さよなら愛しい人』を読みました。フィリップ・ンマーロウはかっこいい。「私」という一人称で紳士的であるという主人公の性格が読み取れるし、ハードボイルドというのは説明口調でなく、登場人物の行動を書き連ねていくことで、いろいろなことを表現しているのがよいですね。そういえば女もののハードボイルドってないですよね。に「峰不二子だろ!!」というつっこみがありました。
●西尾維新を読みたいならこのシリーズから!!!『押絵と旅する美少年』です。戯言シリーズで挫折した方どうぞ。西尾維新というのは、毎日2万字を書くと決めていて書けなかったら、全部消してしまうそうです。速筆だからということではなくて、書くことに時間をかけられないからかけるときにわーとかいてしまうという手法をとっているためです。
●芥川賞を取ったからという理由で『コンビニ人間』を読みました。○でした。又吉よりよかった。みなさんもぜひ。
●昔『路上』今の新訳が『オン・ザ・ロード』で出ています。旅の手記の本なのですが、断然新訳の方が読みやすくていいですよ。翻訳ものにぜひチャレンジしてください。

●湊かなえさんを読みます。衝撃的だったのは『告白』いきなり本屋大賞1位というのがすごいです。『夜行観覧車』は小説よりドラマの方がよかったです。原作は恋愛要素がまったくないのですが、ドラマになると恋愛要素が入ってきて、そのためいろいろな人間関係の関わりが密接に出てきたと思います。
●辻村深月もいろいろ読みますが、『冷たい校舎の時は止まる』や『スロウハイツの神様』がいちばん深月らしい作風だと思います。読後感がよいタイプの人ですね。
●教員実習先で辻村深月なら『ツナグ』がいちばんと言ったらそれは本道でないと否定されました。
●表現描写がきれいで風景などそこにあるように感じられますよね。いい作家さんです。
●『高慢と偏見とゾンビ』というオースティンの名作にゾンビを付け加えた作品があるのですが、これは今度映画でもなります。ミスマッチなものを掛け合わせると魅力が倍増です。

●みなさん、ドストエフスキーは読まれますか。『悪霊』は読んでいて苦しく共感もできません。長い物語の分苦しみます。でも心理描写はうまいのでしょうか。
●『地下生活者の手記』も陰々滅滅とした文章で苦しいです。不安や月の意識を書くのがうまいとは思います。
●『罪と罰』は推理小説とも恋愛小説とも読める感じで、主人公は死なないし、悔い改めるし、未来は大丈夫そうですよ。ヒロインも心根がかわいいですし。
●みんなはやみねかおるをこれまで読んでこられたと思いますが、同じように面白いのが宗田理です。もっと評価されてもいいと思っています。最初の話題作が『ぼくらの7日間戦争』です。
●子供頃読んだ南洋一郎さんのルパンは心に残っています。大人向きのものでなく、あのシリーズが私にとってアルセーヌ・ルパンです。
●おもしろいのは、彼は原作にないエピソードもたくさん盛り込んでいて、自分の創作がたくさん入っているそうですよ。同じように少年向けのホームズも山中嶺太郎が訳しましたが、戦争中いけいけどんどんで戦争に加担していたために戦後パージされて、少年小説に行った人です。彼もかなり創作をしています。
●そういうがっかり感は、『ナルニア国』の最後のオチを読んだときの気分に似ているかも。

●ホームズとかの名探偵ものに言えることですが、エラリークイーンは探偵とは神に与えられた使命として位置付けています。でも反対に①探偵が犯人の人生を左右していいのか。②本当にその探偵の推理は真実なのか、決めつけや捏造ではないのかという恐れがあるわけで、その辺の解決はされていないと言えます。
●そういう意味で支持されている探偵と言えば、刑事ですが、東野圭吾の加賀恭一郎あたりはどうでしょう。人間味あふれた解決をしますよ。
●『探偵ガリレオ』最初作者が描いたキャラより物語が進むにつれて、映像の福山よりになってきています。影響されるのですね、いつのまにか湯川がイケメンになっていました。
●「シン・ゴジラ」など最近は邦画が話題になっています。これはただ庵野さんのファンだからとか、エヴァンゲリオンが好きとか、アニメおたくだからとう枠を超えて、一般の方が面白がって見てくれているおかげですね。
●それでいうと『君の名は』のはびこりかたもすごいですね。何度も見に行っている人も多いし、泣いて泣いて・・という人が多いです。本とは違う映像の魅力があるんですね。

あっという間の2時間のブックカフェでしたが、次回の衣笠ブックカフェは10月25日(火)の開催が決まりました。詳しくは店頭にてご案内いたします。本に興味のある方は、是非お気軽にご参加いただければと思います。当日とびこみ参加もOKです。

2016年9月29日(木)BKCブックカフェレポート

小粒の雨が降る午後、BKCブックカフェを開催いたしました。
理工学部2名、薬学部1名、生命科学部1名の参加のとなりました。

【こんな本が話題になりました】

●11月の道尾さんのイベントに申し込みました。それで『カラスの親指』と『カササギたちの四季』を読みました。ヤクザから追い込みを受けるやるせない物語とちょっとほんわかの作品。まだまだ道尾さんという人がどんな人なのか迷っています。
●直木賞を取った『月と蟹』を読みました。少年少女たちの物語ですが、暗すぎて共感しにくいです。ただ小学生を持って世の中を書き表そうという方向性は道尾さん独特のものなのかなと思いました。
●小学生の一人称にミスリードされる『向日葵の咲かない夏』とか『シャドウ』とか。若いのにいろいろなものを背負っています。
●最新作の『スタフ』でも大人たちがいろいろ事件に巻き込まれてという話かと思ったら、最後に根幹にいるのは中学生というのがわかります。道尾さんはどんでん返しや伏線をしかけるテクニックも卓越していますが、やはりまず人間を書こうという意思があります。そこが魅力なのかもしれません。

●最近哲学に興味があります。『反哲学入門』はソクラテスからニーチェまでの哲学の歴史を振り返ることができます。
●心理学だとフロイトとかユングの著者そのものを読むより解説本を手に取った方が理解が進みますね。
●『寝ながら学ぶ構造主義』は分かり易くてお薦めです。でも最近よくポスト何何とか出ていますが、構造主義がわからないのにポストを語られてもちんぷんかんぷんのところがあったりします。
●恋する寄生虫は、あきれるほど潔癖症の主人公が出てきます。部屋に人を入れたくないし、人に触られたくもない...。でもこの本のいちばんのセールスポイントはてかてかのカバーから布のような手触りのよいカバーに変わって内容へのときめき度を高めているところです。
●日本のSFで言うと『虐殺器官』は骨太の設定で見応えがあります。アニメがとても楽しみです。『ハーモニー』はディストピア小説ですが考えさせるものがあります。
●円城塔も難解ですが、『これはペンです』はおもしろいです。伊藤計劃の盟友ですしね。

●この夏読んでよかった本はハインラインの『夏への扉』です。猫のピートはかわいいし、ちょっとロリコン的ですが、最後にすかっときますし、名作です。
●ハインラインは『月は無慈悲な夜の女王』もお薦めです。
●同じSFでもクラークは(『幼年期の終わり』とか書いた人)つまらない感じがします。たんたんと物語が進みますし、その「設定萌え」だったらいいのではないでしょうか。
●うわさの『冷たい方程式』はやはりどうしても抜けられないというその設定が魅力でしょうか。女の子一人に犠牲を強いるなら、自動運転で船長乗せるなよとか言いたいです。
●『星を継ぐ者』は一見の価値ありです。人類のこれまでの謎についてSF的見地から解説をしていくもので、興味深々で読めます。
●乙一の『暗黒童話』は角膜を移植された主人公がこれまで知らない見えないものが見えてくるという小説です。SFはいろいろな設定とその結果を楽しむことができますね。
●遭難してやっと一枚の板につかまって漂流されている途中、もう一人の遭難者が流れてきます。板には一人しかつかまることができません。それを理由に一人を見捨てることの是非を問うのが『カルネアデスの舟板』です。「トロッコ問題」というのもありますね。トロッコが暴走していて目指す線路には6人の人物がいる。もう一地の線路は一人の人物がいる。自分は線路のチェンジが出来る位置にいる、果たして6人より1人を殺すより罪は軽いと考えてギアをチェンジするのは許さっるのかという命題です。有名なサンデル教授のごまかした解決法はしいできません。

●夏目漱石の『こころ』はとおしで読むべきです。最後の先生の手紙しかしらない。それも教科書での抜粋しかしらないのでは、その魅力を味わえません。とにかく先生は変な人です。そこがおもしろいです。
●初期三部作の一つである『それから』も三十歳になる高等遊民が社会に反して働こうともせず、生きてきましたが、友人の妻に恋をしてすべてを失い。それからどうなるのかという物語です。おやの金で悠々自適に暮らす様などがその当時の風潮を表しているのでしょうか。
●そういえば『さかしま』という小説はひきこもりの主人公が出てきます。アナログなものを大切にしている厭世的小説です。ニヒリズムはダダイズムから来ているので夏目も時代的にそうした影響があるのでは?
●『僕のヒーローアカデミア』はこの春卒業した先輩が、言語的センスが素晴らしいと言っていました。能力=個性としているところとか。
●西尾維新は「戯言シリーズ」ですが、その言葉遊びが苦手な方は「美章園シリーズ」が読みやすいですよ。『屋根裏お美幼年』とか。
●『ダヴィンチコード』は高校生のとき面白くて、友人に勧めまくりました。ここが黄金比なんだよとか。でも今読むとそうでもないので、読んでおもしろいタイミングってあるのかなって思います。

2時間があっという間に過ぎました。次回は10月27日(木)18時から。本の好きな方、そうでもなくても本の話を聞いてみたい方、お気軽にご参加ください。1回生のWelcomeです。