新しい生活が始まり五月病にかかっている人もいるのではないでしょうか。そこで、今月の読書百遍では“抜け出そう!五月病”というテーマに沿って、4冊の本を読書マラソンに参加している人のPOPカードから紹介したいと思います。
泣きたいときの一冊
カラフル
再チャレンジの機会を得たぼくの魂。新しい家族の下にやってきたぼくはさまざまなことを体験する。P17ではお兄ちゃんの気持ちに触れて泣いた。わりと初めのころ「5千年前に生まれていればよかった。」と遠い目を感じたとき「願うとおりの終わり方だといいな。」と思った。そしてそのとおりのエンドだった。「ばんざい」と喜びながらページを閉じた。嬉しかった。
著者:森絵都
出版社:文芸春秋
笑いたいときの一冊
鴨川ホルモー
いちばん心に残ったところ
不思議な存在のものたちがいる。ホルモーとは、その代理戦争である。京大音楽会にたまたま勧誘されたのをきっかけに、巻き込まれてしまう主人公たち。ありえない!と、叫びながらひきこまれてしまう。上質のエンターテイメントである。
ここがおすすめ
青春ものらしく〝恋するせつなさ〟がすべての原動力となっているところがみどころです。
著者:万城目学
出版社:角川書店
青春に浸りたいときの一冊
砂漠
「いざとなれば、砂漠に雪を降らすこともできるんだ!」…なんてことはまるでない、くすぶっている大学生活に!たとえ世界で誰かが飢えていても、テロのニュースが少し気になっても、明日の合コンや今期の単位に心乱されてしまっているあなたに!この小説は大学生のうちに絶対読んでおいた方がよい青春小説です!
著者:伊坂幸太郎
出版社:実業之日本社
元気になりたいときの一冊
幸福な食卓
哀しくても切なくても憤っていても人との距離感がつかめなくても朝の食卓は続いていく。語りつがれる「父さんは今日で父さんを辞めようと思う。」という最初の名言。いっきに瀬尾ワールドにひきこまれてしまう。これは家族たちの〝再生〟の物語。そして〝つながり〟を確認する物語だ。泣きそうになる。
著者:瀬尾まいこ
出版社:講談社