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読書の秋!


 またまたやってきました読書の秋!今回はいつもより1ページ多い、2ページでお届けいたします。1ページは絵本特集、1ページはミステリー特集となっており、絵本特集では大人が楽しめるような本を紹介しております。いつもと違った本を楽しむのはどうでしょうか?ミステリー特集ではミステリーの王道から最新の話題昨まで広く紹介していきます。

 

―真の絵本ならば大人でも楽しむことができる。―

 王道 

100万回生きたねこ
 あなたも子どものころこの絵本を1度は読んだことがあるのではないか?しかし、この本はひょっとすると大人のための絵本かもしれない。とはいうものの、真に大人のための絵本ならば、子供もまた楽しむことができる。
 それが絵本というものの本質であるはずだ。そして『100万回生きたねこ』は、絵本の本質をとらえている。大人になった今、もう1度この本を読んでみてはどうだろう。

作・絵:佐野洋子
出版社:講談社

 

―絵本は楽しもうとして読むのではない、楽しいからこそ読むのだ。―

 文字なし 

アンジュール
 絵本を開いた瞬間衝撃が広がった。文字がまったくない。ただ、目の前には絵がページに書かれてあるだけだ。そこには何の音もない。静寂がそこにはあった。自分がいる世界が静寂に包まれる。現実に音がなくなっているわけではない。
 この絵本を読むたびに絵本がどうあるべきか考えさせられてしまう。絵本としての原点には文字は必要ないのだろうか?そうではないかもしれないが、この強烈なモノクロの絵は文字を受け付けなかった。特殊といわれればそれで終わりかもしれないが、私にはこの絵本が原点に感じられてしょうがない。

作・絵:ガブリエル・バンサン
出版社:BL出版

 

 透ける 

BROOCH
 トレーシングペーパーに描かれた繊細なイラスト、子どもの手では、破れてしまいそうなページ、まさに大人が読むにふさわしい。
 ゆっくりとページをめくるたびにほんのりと透けて、重なり合いながらページからページへとつながっていく不思議な世界観。心がやさしくなっていく宝物のような物語に、読後は胸のすくような感覚が。きっと何度も読みかえす大切な1冊になりそうです。

作:内田也哉子 絵:渡邊良重
出版社:リトルモア

 

―絵本を最後に読んだのはいつだろうか?―

 飛び出し 

不思議の国のアリス
 アリスや動物たちが動く仕掛け、伸びるホールを覗けばアリスの吸い込まれていく姿がとてもリアル。
 ページを開くたびそこにいるキャラクターに魅了されてしまう。まるでその瞬間そこに居て、行動しているかのような錯覚を起こしてしまいそうになる。これは絵本であり、そしてある意味芸術作品ともいえる。この本は童心に戻るための1番の本かもしれない。ぜひご一読をおすすめする。

作・絵:ロバート・サブダ(著)、わくはじめ(著)、ルイス・キャロル(著)
出版社:大日本絵画

 

Mystery

―真犯人は?―   ―頭脳への挑戦―

―衝撃のラスト―   ―深まる謎―

―ダイイングメッセージ   ―復讐―

―読めない展開―   ―誰も信頼できない―

巷説百物語
 巷説百物語シリーズの1作目。収録作品は「小豆洗い」「白蔵主」「舞首」「芝右衛門狸」「塩の長司」「柳女」「帷子辻」の7編。レギュラーの登場人物は、皆ひと癖あり、物語を効果的に演出してくれる。京極ワールドの特徴である妖怪の不気味さ、謎解きの意外さ、物語を逸脱して語られる蘊蓄なども楽しんでいただきたい。登場する妖怪たちは、人間の心の闇や業(ごう)が形を成した末の「悲しい姿」である。その姿は、綺麗事ではない「丸裸にされた人間の心そのもの」だともいえるのではないだろうか。「犯人が妖怪だなんて、推理できるわけがない」なんていわずに、いざ京極ワールドへ。

作者:京極夏彦
出版社:角川書店

 

そして誰もいなくなった
 ミステリーの女王が仕掛けた最高の傑作。登場人物は、U・N・オーエンと名乗る富豪にインディアン島へと招待された、十人の男女である。彼らが島に着いても、肝心の招待主が姿を現すことはなかった。そして客が全員食卓についたとき、どこからともなく彼らの過去の犯罪を告発する声が響いてきた。…童謡は唄われ始めた。さまざまな職業、年齢、経歴の十人が、過去の罪によって裁かれてゆく。童謡の通りに1人、また1人と消えていく様子は、精密機械のようですらある。あなたは最後まで、事件の真犯人と、その動機を知ることはないだろう。

作者:アガサ・クリスティー
出版社:早川書房

 

告白
 今、書店に行くとミステリーの売り場で必ず見かける話題の1冊、「告白」。とある中学校で、教師と生徒が繰り広げる復讐劇。第一章から第六章で構成されており、各章ごとに違う人物の視点で描かれているため、各々の感情のすれ違いが痛いほどに感じられる。各章を読むごとに価値観、倫理観、善と悪の判断が何度も変わる。変えさせられる。1度、読み始めると、ラストまで止まらない、引き込まれる文章である。ラストまで読了した後は、後味の悪さとともに、爽快感をあなたに与えてくれるだろう。現代社会に潜む、みたくない人間の負の部分。秋の夜長に覗いてみませんか?

作者:湊かなえ
出版社:双葉社

 

 

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