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Love Peace Life

 

学生目線の平和

I:みんなの「平和」のイメージって?
S:やっぱり戦争がないことかなあ。
K:でも平和って明確な答えがないしイメージしづらいな。
S:実際戦争がないから平和でもないのか。
I:確かに、戦争とは別の解釈もできそう。
K:広い意味で暴力とか悪とか混乱がない状態も平和と思うな。
I:そうだね。食べ物にもお金にも困ってない私たちが平和な状態なんじゃない?
K:僕は100%平和だとは思わないよ。日本でも殺人事件や悲惨な事故というのは起こっているし!
S:やりたいことが満足にできない状態も平和ではないと思うな。
I:そっかあ。
K:あ、みんな世界平和度指数※って知ってる? 世界平和度指数っていうのはイギリスのエコノミスト紙が158ヵ国を対象に分析し、各国や地域がどれくらい平和かを相対的に数値化することを試みたものなんだよ。
S:へー。ちなみに日本は何位なの?
K:158ヵ国中日本はなんと5位(2012年現在)!
I:ほんと!? 日本ってかなり平和ね!
S:戦争してないからかな?
K:やっぱり戦争の有無は重要だけど、それだけが平和を計る基準ではないんじゃないかな。
I:さっきも言ってたけど日本で事件は毎日のように起きてるもんね。
S:なんか難しい!話変わるけど海外旅行に行ったとき、自動販売機が全然なかったんだ。やっぱり日本にたくさんあるのは治安がいいからかな?
K:確かに、日本には山ほど自販機があるけど、フィリピンには日本ほどなかったな。日本が技術的に発展してるからってことかな。
I:先進国と途上国の差かな。
T:かといってイギリスの都内にも自販機はなかったよ。それに犯罪数で言うと日本は低くない。ただ諸外国は日本より反戦意識はかなり高いし。
国民一人ひとりが努力してる部分はある。
I:そうなんだ!…私たちが平和に対しての知識や関心がまだまだ足りていない証拠だね。

※対内外戦の数と推定死者数、内戦の程度、近隣国との関係、他の市民に対する不信感の程度、人口に対する難民・追放者の割合、政治的不安さ、人権尊重のレベル(政治テロの程度)、テロ活動の潜在的可能性、殺人事件の数、暴力犯罪の程度、暴動の可能性、犯罪収容者の数、警察や治安維持部隊の数、GDPに対する軍事費の比率、軍人の数、普通一般兵器の輸出入量、国連の介入度、国連以外の介入度、重兵器の数、小型兵器・携帯兵器の入手のしやすさ、軍事力、精錬度を基準にしている。出典:VISION OF HUMANITY

 

戦争と平和

  人類は二つの世界大戦を経て、歴史と民族を尊重することの大切さを学びました。一方で民族主義や国家主義が対立し合い、多様な宗教・風俗・習慣や文化が互いの正義を主張しあう排外主義的な状況も生み出されています。戦争には至らなくても飢餓・貧困・人権抑圧や地震・津波・地球温暖化など自然災害を含む環境破壊が引き起こされ、また医療や教育においても格差があり地域紛争は今なお絶えることなく、世界平和は実現されていません。
  立命館大学国際平和ミュージアムは、こうした人類的諸課題を解決し、国家や民族が相互に発展と繁栄をもたらす「持続可能な地球社会」の創造と、人間の可能性の豊かな発展を目指す行動を目指してきました。
  第一に、戦争の悲惨さを伝え、戦争や暴力、非人道的行為に対して人間の尊厳を大切にする意識を養うこと。
  第二に、歴史認識を深めることで「平和が損なわれた」ことの原因や本質に迫る力を市民がつけること。    
  第三に、今特に求められる課題は、人類的課題を解決し「持続可能な平和な社会」を創り出していく「和解」と「共生」の道筋を研究・創造し行動する人材育成に取り組むことです。
  私たちにできることをできる範囲で貢献していきませんか?

 

What's Peace Now!?

 Peace Now! は生協の全組合員(学生、院生、留学生、教職員、生協職員など)を対象とした平和について考える企画です。全国の大学生協から参加があり広島や長崎、沖縄などを訪ねます。

  「開催地について深く知りたい」「平和・歴史・環境・災害などをテーマとした社会活動に興味があり活動のきっかけにしたい」「平和や未来のために活動をしたい」「自分に何ができるのかを考えたい」「自大学や地域での平和活動を考えている」方の参加を募っています。
  また大学生協はこの活動を通して「平和な社会と明るい未来を創造する組合員を増やす」ことを目指しています。さらに「過去の出来事や現代社会について『知り、知らせ、考え、話し合う』平和活動」や「1人ひとりが平和を大切にする想いを持てる平和活動」。「社会に向けられる平和活動」、「平和な社会と明るい未来に向けて行動を起こせる平和活動」を指針としています。
  生協組合員として全国規模で活動できる機会になっているのであなたもぜひ参加してみてはいかがでしょうか? 参加希望の方は学生委員会または生協本部に声をかけてください!!

 

Peace Now! 舞鶴

国際関係学部 2回生 Sさん  私がPeace Now! 舞鶴に参加して感じたことは二つあります。
  1つ目はirony―皮肉です。日本は世界唯一の被爆国という印象が強く、第二次世界大戦では被害面が目立ちます。しかし、大江山や他での強制労働問題を考えると、日本もまた加害国であったことを痛感させられます。大江山で労働を強いられていたエバンスさんは、戦争により教師になる夢を諦めざるを得なくなりました。皮肉なことに彼の体験は、私たちに戦争の与える影響と日本の犯した罪を教えています。
  また、浮島丸事件も同様です。浮島丸殉難の碑の横に、沈没し海上にレーダーや機関銃だけを突き出した浮島丸と、旧ソ連から引き揚げてきた興安丸が写った写真があります。どちらも祖国に帰れることに歓喜した人々の、希望に満ちた船でした。しかし、一方は爆発し沈没。浮島丸に乗船していた朝鮮人にとって、悲しみの地である舞鶴が、興安丸の日本人にとって、待ち望んだ祖国、再スタートの地であった事実に強烈なironyを感じました。
  2つ目は、フィールドワークの大切さです。宮沢賢治の銀河鉄道の夜の冒頭で、こんなシーンがあります。“では今日はその銀河のお祭なのですからみなさんは外へでてよくそらをごらんなさい。ではここまでです。本やノートをおしまいなさい。”先生が言うように、大切なのは実際に自分の目で見ること。事実、現地で学ぶと、情報を受容する感度が違いました。座学だけではわからないことがたくさんある。そう感じた2日間でした。

 

What's Peace Now! 舞鶴?

  Peace Now! 舞鶴は、舞鶴に出向き、主に戦時中の日本の加害国としての面、舞鶴の満州などからの引き揚げ港としての面を学習するプログラムです。1日目はお昼から、戦時中の大江山での強制労働について学び、その跡地の見学を行いました。その後は五老ヶ岳の展望台に上り、舞鶴湾を一望しました。ここで今回の主な行先で、どこで何があったのかを理解できました。夜は青森で強制労働させられていた朝鮮人の帰国船・浮島丸が謎の沈没を遂げた浮島丸事件について学習しました。翌日は舞鶴湾を船で遊覧、浮島丸殉難の碑、舞鶴引き揚げ記念館の見学というプログラムでした。戦争との関連性が希薄に見えていた舞鶴を見つめ直す、良いきっかけになりました。

 

Peace Now! 沖縄

文学部 2回生 Iさん 私はこのPeace Now! 沖縄に参加し多くのものを得ました。はじめは観光や修学旅行でしか行ったことがなく、おおざっぱな印象で水族館や海、平和や基地といったものしかありませんでした。今回行われた沖縄の平和企画で知識の再確認や平和学習においての真実を学び、改めて自分が平和を理解していなかったことに気づきました。
  企画では平和祈念公園や首里城、ガマや米軍基地に行くフィールドワークがあります。また、戦時中ひめゆり学徒隊として兵の看護などを行った方々の証言を聞く時間もあります。
  そのような内容の中で私の考えが大きく変わったのは米軍基地問題についてでした。近年このことに関して、近隣の住民への騒音問題や米軍による犯罪の多発などが問題視されています。米軍ヘリ墜落事故、クリアゾーンのない基地、基地移設問題もまた騒がれています。
  しかし、その基地は周辺の経済を大きく動かしている存在でもあるのです。経済効果や、基地内で働くことで生計を立てている日本人もいます。実際に基地で軍事活動をしている米軍は国際平和のためという大きな志をもって命をかけている人もいるのです。もしこの基地をなくしてしまうと多くの人にとって生活基盤をなくすことになりかねません。
  大きく取り上げられている問題の裏側にある現状を知り、単に一方的な解釈で基地反対をするだけではいけないと私は強く思いました。あなたもこのように新しい発見をしに企画に参加してみませんか?

 

What's Peace Now! 沖縄?

  Peace Now! 沖縄は現地・現場に向かうフィールドワークが豊富で、実際に目で見て触れて感じて学ぶことで、机上で学ぶことだけでは吸収できないものが得られる企画が盛りだくさんになっています。
  昨年のプログラムは日程が3泊4日で、全国の大学生や教員、生協職員が集い班を組んで沖縄の実情について学習しました。
  企画では平和祈念公園や首里城、沖縄大学、ガマ、米軍基地をフィールドワークでめぐり、沖縄を多角的に見て知ることができ、メディアでは知りがたい裏側や体験した人の証言も聞けます。
  フィールドワーク以外では班でグループワークをしたり意見交換・共有をしたり、他大学の活動報告を聞ける場や交流の場も設けられています。


 

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