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2017年5月25日(木)BKCブックカフェレポート

穏やかな日差しの夕方、ブックカフェがリンクカフェテリアで開催されました。
今回の参加者は初めて参加してくれた生命科学部1回生の方、理工学部3回生の方お二人、薬学部2回生の方お二人、4回生の方の参加でした。急に来れない方もいたのでちょっと残念でした。

こんな本が話題になりました

  • これまでファンタジー作品はたくさん読んできましたが『ドラゴンラージャ』これが最高です。今人生で4回目の読み直しをしています。文化や宗教感歴史をきちんと書き分けているのとその世界観づくりが最高です。
  • 『亡国のイージス』は固い文章ですが、人間とは何かということが追求されていて読み応えがあります。おっさんと若者の対比というか掛け合いがいい感じで描かれています。
  • 『終戦のローレライ』は、戦闘シーンがめちゃめちゃ熱いです。第2次世界大戦当時、東京に第三の原発がおとされそうになるのを阻止するという物語です。
  • 『悪の教典』は、教師が生徒を殺していきますが、男子残り〇名、女子残り〇名というのが『バトルロワイヤル』のぱくりかなと思いました。
  • 『バトルロワイヤル』は非難ごうごうの作品でしたが、やはりあれ1作だけで終わりましたね。私を読んでいて、不思議にハートウォーミングを感じました。殺し合っているのに・・。
  • 伊藤計画の『ハーモニー』は、本人が肺がんで死にそうなのに病気が滅亡された世界を書くなんてすごいなと思いました。彼の才能は惜しいです。
  • 私は森身登美彦さんが好きなのですが、『有頂天家族』がきっかけです。たぬきが夏の夜空に舞う様子とか、残念な弟の存在とかキャラ立ちしていて面白いです。

  • でもいちばんすきなのは『ペンギンハイウェイ』です。森見さんの作品はすべて京都が舞台なのですが、これだけはどこかの新興住宅地という表記でどこの物語なのかわかりません。主人公の小学生が賢くて一生懸命で健気で抱きしめたくなります。つらい別れも経験して世の中に立ち向かう様子に応援したくなります。
  • 有川浩の作品は、『塩の街』を始めとする自衛隊ものをもっと書いてほしいなと思っていますが、いちばんお薦めしたいのは『キケン』です。はじける理系男子の大学生活日々。学園祭のラーメンでの勝利などわくわくものでした。そして最後に輝いていた過去だからこそ、その場に立ち戻ったら、本当は何もなかったことになって怖いと思っている卒業生が最後に啼いてしまうラストは感激です。
  • ライトノベルですが、『ある日爆弾がおちてきて』は時間をテーマにしたボーイズミーツガールものの短編集です。一読の価値ありです。
  • 立命の先輩でもある高野悦子の『二十歳の原点』は、大学紛争時代で時代背景は違いますが、自分の考えや感性と共感できて怖いです。タイトルの由来は「独りであること、未熟であること、それが私の二十歳の原点である」という一節から取られたんですよね。」
  • わかくして亡くなった南条あやさんの『卒業式まで死にません』は、遺族が素晴らしい娘さったと書いて出版するところはどうかなと思ったりします。
  • 最近SFでも読んでみようかなと思って『幼年期の終わり』を手に取りました。人類の進化というテーナや宇宙人による人類の支配など新しいテーマで書かれています。
    でもどちらかというとクラークの最高傑作は『2001年宇宙の旅』だと思います。
    印象がキューブリックの映画と重なっていて不安なのですが、モノリスの存在や人類の進化という点では確実に描かれていると思います。

  • アシモフ、クラーク。ハインラインがSF三代作家ですが、ハインラインと言えば『なつへの扉』です。主人公は友人に騙されてすべてを失いますが、ちゃんとすべてを取り戻してハッピーエンドです。そしてなによりも猫のピートがかわいくてたまりません。
  • 『SFハンドブック』で作家の代表作が書かれているのですが、アシモフの代表作はやはりロボット三原則を生み出した『われはロボット』だと思います。
  • それをいうならブラッドベリの代表作は、『華氏451度』とありますが、これも『火星年代記』だと思います。火星人は地球人の持つ病原菌で死滅して、地球人の火星入植がはじまった時代、地球は核戦争で滅びてしまいます。家庭用宇宙船で火星にたどり着いた家族が最後に出てきます。小さな男の子は父親に向かって、火星人をどこ?と何度も聞きます。
    物語の最後で、豊かな森林の水辺で皆もに映る自分たちの姿を指しながら、これが火星人だよと息子に答えます。いい余韻の終わり方です。ただ納得できないのが、物語が最初は2001年から始まっていたのを、その時代が過ぎたということで2030年始まりのお話に変えてしまったことです。
  • ソラリスは1961年に書かれた作品で当時、鉄のカーテンの向こう側でかかれたSFで、海は一つの知性を持ち考えを有しているという変わったもので映画化もされています。
  • ホーガンの『星を継ぐもの』は傑作です。月面で人の死体が発見されます。その死体の年代測定によると5万年前のものだということがわかるというハードSFで、この謎を解明いていくうちにミッシングリングの謎や、月の秘密についても分かっていく物語です。一読をお薦めします。
  • もはや古典となっている『冷たい方程式』ですが、地球から離れた惑星にワクチンを運んでいる宇宙船は、重量が限られていて予定以外の人やものを運ぶことはできません。
    それを知らない少女が行先の惑星にいる兄に会うために密航してしまうのが物語の始まりで、その少女は宇宙の理によって宇宙空間に捨てられてしまうのです。
    こういう物理的な限界があるからまふぃ紛れこんだ人を排除するしかないという法則をハッピーエンドに帰る手法など様々な作家がチャレンジして来ました。
  • 星新一はたくさん読んできましたが、一つ一つの作品を思い出すことができません。
    その中で怖かったのは、「おーい でてこい」とう作品で、ある時とても深くて底が見えない大きな穴が見つかります。見つけた人間が何かが潜んでいるような感じがして「おーい でてこい」と呼びかけてみます。そして小石を投げてみます。底が知れません。そこで人類はそこになんでも捨てていきます。核燃料の廃材までも・・。そしてしばらくして夜空からかすかな「おーい でてこい」という声がします。小石がつーと落ちてきます。果たして・・。
    というぞっとしてしまうお話です。

  • 『六歌仙GEDの暗号』はいつも歴史的な素材を調べるうちにミステリーの謎も一緒にといてしまうという作品で、歴史好きにはたまらない作品です。
  • 『RPA革命の衝撃』はソフとウェアロボットとAIの関係を書いたもので人工知能がクローズアップされています。
  • 社交ダンスをやっている関係で、『ダンサーのためのメンタルトレーニング』を読みました。役に立ちます。
  • いかに本を読まずに過ごせるかが僕の命題です。『罪と罰を読まない』は、一人だけ罪と罰を読んでいて、あと3人は読んでいない。それでもこの本はどういう物語かをそれぞれ語っていきます。読んでいなくても坂物がばあさんを殺すよねとか、読んでいても詳細思い出せなかったりなどつっこみどころ満載です。
  • ラノベですが、『終わりのクロニクル』は総じてページ数が多くて最終巻は1000ページをこえたという京極顔負けの作品です。10の異世界が存在する世界での戦争を書いています。
  • 『20世紀少年』は、あれだけいろいろ仕掛けて置いてラストはぼんやりと終わります。
    これもノスタルジアを感じさせる手法なのかと思いましたが、『21世紀少年』が続編で出たときにナンヤーと思いました。安易に続編よくないです。
  • 『涼宮ハルヒの憂鬱』のシリーズは、高校の頃に大好きで楽しみにしていたのに、最近は面白くなくて、ラノベってちょうどいい時に終わらないのが困ったものですね。

いろいろ話はつきませんでしたが、次回6月22日に実践することを決めて終わりました。
ブックカフェは誰でも参加できます。お時間が開けばよってみてくださいね。18時からリンクカフェテリアで開催しています。