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2016年11月22日BKCビブリオバトルの報告

穏やかな小春日和の夕方、リンクショップにてBKCビブリオバトルが開催されました。
参加者11名、発表者は6名でした。

最初の発表は、理工学部1回生木村渚さん。紹介された『シャーロック・ノート』は、恐怖で人の心や思考を破壊するような犯人をいかにして追い詰めていくかという学園裁判もので、探偵と生徒の言葉の騙し合いが、何度も読んでようやく理解できるような深さのある物語ということです。

次は、経済学部1回生の木原啓文さん。『ハリー・ポッターと呪いの子』は、ハリーの3人の子のうち次男が主人公、魔法もできない友達もいない状況で、正統派であるハリーとの葛藤もあり、父親の間違いを正すために過去に戻って歴史を変えます。でもそこで大きな過ちを犯してしまい、どうなるのか。様々なギャップの解決を図る物語です。

次は、理工学部3回生の小澤風馬さん。お薦めは『Lonoly Planet Japan』という外国人向けの旅行ガイド。分厚くて全文英語ですが、例えば京都だと普段は出ていないチェーン店の「からふね屋」が紹介されたりしています。巻末にサバイバルガイドや一人で旅行する女性のためのページなど利用者の多面性にも対応しています。持ち歩きは大変な本ですが、電子版もあるので、旅行の時はそれを使いましょう。よくやるのは「ペラペラストップ」つまり勝手にページをめくって、勝手にストップして指差したところを「どこやねん」と言いながら訪ねてみるゲームをやったりします。

次の発表は、経済学部3回生の滝川大地さん。『つむじ風、ここにあります』という現代短歌の本。一世を風靡した俵万智さんのあとの世代の方で、ツィートみたいにライトに思ったことを31文字であらわしているので教科書を読んだり、小説を読んだりする合間に読んでほしい。最近は短い文をネットに投稿してシェアする文化があるので、こうしたほわっとした感情表現は、今後も続いていきそうです。

次は、理工学部3回生の加納宏樹さん。森見登美彦の『四畳半神話体系』は、夢を持って大学へ。サークルに入って、周りの女子と恋愛をして・・と考えていたのになかなか難しい。でも主人公は先輩から影響を受けて、ようやく3回生の時に女子と恋愛モードへ。夢見たばら色の生活が果たせるのか? この本は文章が断然いいです。森見ワールド全開で、京都の地名もバンバン出てきて、京都のあちこちを訪ねて見たくなります。僕は色恋沙汰を狙っていたのに、悪友に囲まれての生活です。まさに僕とぴったりの本です。

最後の発表者は、情報理工学部3回生の勝又勇貴さん。映画にもなった『僕と1ルピーの神様』を紹介してくれました。貧しい少年がクイズ大会に出たところ、正解をしてしまって10億ルピーを当ててしまいます。そこでカンニング疑惑にさらされた彼は、自分の人生が問題と問題の答えを導き出してくれたということを証明していきます。クイズ大会のビデオを見ながら、回想・・。問題が出て・・。答える・・。明日は生きていないかもしれない貧しい暮らしの人々が大勢いるインド。その人生観をも共有できる小説です。

「読みたくなった本」に投票をしたところ、情報理工3回生の勝又さんがチャンプ本となりました。最後に司会と発表者で記念撮影をしました。チャンプ本の勝又さんは12月4日南草津で行われる「地区決戦」に出場されます。がんばってくださいね。