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2017.05.12

5月ブックカフェの開催のお知らせ

ニュース

衣笠ブックカフェレポート

BKCブックカフェレポート

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2017年4月25日衣笠ブックカフェレポート

温かい春の夕方、衣笠ブックカフェを開催いたしました。今回の参加者は、産業社会学部2回生の方、7回生の方、文学部2回生、3回生、4回生の方でした。次回は1回生の方が増えるといいですね。(お一人後から来た方のお写真を撮り忘れました)

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こんな本が話題になりました

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●村上春樹の『騎士団長殺し』は言わずと知れた不思議系の作品です。40代のおっさんがいろいろな補遺と関わりまくります。初期の作品が好きだったらちょっとだめかもですね。

●西尾維新が好きです。『人類最高のときめき』の最新刊をこれから楽しんで読もうと思っています。

●『アルジャーノンに花束を』は唯一海外作品の中で日本語訳の方がいちばんよいと思われる作品です。失語症的な知恵おくれの主人公がかしこくなりたいと思って手術を受けて変化を遂げていきます。でもそれには落とし穴があって、一度は天才的に賢くなりますが、徐々にもとよりもっと悪く知能が低下していくことになります。そうしたことが精神科医らしくとてもうまい心理描写で書かれているのです。大学生なら絶対読んでほしい本です。

●ハインラインの『異星の客』は、火星で育てられた地球人が地球に戻ってもその価値観の違いからとても戸惑います。愛を知ることや人の幸福を喜べることが人間らしいことなどそうした概念がない場合寄り添っていけないのです。万人にお薦めはできませんが価値観を揺さぶられたい人にはお勧めです。

●米澤穂信は、古典部のシリーズで好きになりました。タイトルの『氷菓』のアイスクリームがどんな意味を持っているか分かったときはとても衝撃を受けました。
最近は日常の謎系だけでなくさまざまなテイストの作品もたくさんあって飽きません。
『満願』もひたひたと怖いお薦めの短編集です。

●『魔的』は杜博嗣らしい言葉をあやつった詩集です。彼の作品世界をほうふつとさせています。

●『夜は短し歩けよ乙女』最近アニメ作品にもなっていますが、京都の地理も学べますし黒髪の乙女がとても可愛らしくて、彼女に恋する先輩のヘタレ具合もよくて楽しい作品です。

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●ディストピアものですが、伊藤計画の『ハーモニー』は、幸福とはこういうことだと決めつけられている世界の話です。『素晴らしい新世界』は世界を構成しているそれぞれの階層で満足するように、世界が整えられてあり、自分の考えや判断などを否定されている世界のお話です。『1984』とかだと分かり易い監視世界のお話で、すぐ否定ができるのですが、これが幸せですとライトに来られると、なかなか見えるものが明確にはなりませんね。

●ちょっと激しくハードな作品ですが花村萬月の『笑う山崎』は本当は笑わない男でヤクザの世界に生きています。深く自分の美意識を持っており、よく自分の哲学を語ります。
そしてやっていることはインモラルで暴力的なひどいやつです。女の子にはお勧めできませんが、小説だからこそ味わえる世界のような気がします。

●『やし酒飲み』のアフリカ文学は普段ふれることが少ない作品ですが、民族的なファンタジーの要素もたくさんでその土地ならではの作風だと思います。

●『銀河鉄道の彼方に』は高橋源一郎の書いた小説ですが、死とは何か、宇宙とは何か、今見えている世界はもしかしてだれかの見ている夢ではないのか。子どものころ考えた疑問などそうした哲学的なことを描いた長編小説です。

本当はもっともっとたくさんの話題がありましたが、まとめられないほどいろいろ話は展開していきました。次回は5月30日です。だれでも参加できます。ぜひいらしてくださいね。

2017年4月27日(木)BKCブックカフェレポート

4月も終わりというのに肌寒い午後、BKCブックカフェを開催いたしました。
今日の参加者は、理工学部3回生、生命科学部院生、薬学部2回生の方3名、4回生の方1名の6名の参加でした。今回お一人の方が早帰りされたので残念なことにお写真に写っておりません。

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こんな本が話題に出ました

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●ジョン・ミルトンの『失楽園』を読んでいます。これは、天使ルシフェルが神にかわいがられているにも関わらず、神より高い地位につくことを願って反逆していきます。神々に愛される人の反逆というのは、何が正で悪なのか、何がサタンで神なのかわからなくなるような妖しさがあります。映画「最後の誘惑」のような感じ?

●上田早夕里さんの『華龍の宮』はとても読みがいがありました。近く変動で海が260センチも上昇して世界のほとんどが海に沈んでしまった未来を描いています。
その中でわずかい残った陸地に住む人間と、遺伝子を変えて海で暮らせるようになった人間たちが生きています。主人公は、その間を取り持つ公務員です。状況の説明がきちんとされていて、納得して読み進んで行けます。

●中島らもは薬中、アル中のどうしようもない作家ですが、自伝風に書いた小説がとてもおもしろいです。

●小林泰三の「玩具修理者」は、ホラーものですが、切れ味のよさが身上です。

●西沢保彦の『神のロジック人間のマジック』は年齢錯誤のトリックですが、一人称で書かれているいて本人は嘘をついていないのに読み手が騙されていくというのがおもしろいです。

●昔昔読んだミステリーでダールの『あなたに似た人』に載っていた短編だとおもうのですが、その家の主人が殺されて警察官が乗り込んできます。でもそこにいた家政婦がおいしい肉料理ができたのでどうぞ召し上がれと警察官たちに食べさせます。そして殴打した武器がないということになりますが、それは料理される前の冷凍肉が武器で、きえてしまいましたとさという物語です。

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●先ほどの年齢錯誤のミステリーの名作と言われる本が、歌野晶午の『葉桜の季節に君を思うということ』です。まず読むべしですね。

●『最良の嘘の最後のひと言』は世界的企業が8000万で超能力者を雇うことを決めた。
一枚しかない採用通知書を奪うために戦いを拡げられるというお話です。

●『キングダム』は中国の春秋戦国時代を舞台に大将軍を目指す少年と後に始皇帝となる秦国の王の活躍を描くコミックです。めちゃ歴史ロマンで、すごいところは歴史的な表記なないところを作者が拡げて描ききっているところです。

●最近『応仁の乱』を読みましたがさっぱりわかりませんでした。小説やコミックの歴史ものだと作者がこういう関わりがあったに違いないという流れがあるのですが、この本は、事実だけが積み重なっており、だから本当はどうなの?とますます迷ってしまいます。

●「ドラゴンラージャ」はすごいお薦めです。本当にな世界を詳細に作りこんでいくところで作品世界に浸れますし、主人公の一人称で物語が進むので、ものすごく主人公になった気分で共感できます。神様ごとに挨拶の言葉が違ったり、そうした材料が巻末にあるのも楽しみの一つです。

●OICに行ったときに、図書館の1Fで一般の方に本の貸し出しをしているコーナーがありますが、本に感想を書けるカードがさしてあったり、コミュニケションがされていることに驚きました、そうしたつながりで『モモ』とかも読み継がれていくのかなと思いました。

●『罪と罰を読まないを読まない』という本があってこれは「罪と罰」を未読の4人が出されるヒントをもとにこの本の内容を妄想するという本で、読んだ人も読んでない人も楽しめます。

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●「QED百人一首の呪」はお薦めです。ミステリーなんですが歴史に関わる事件が題材でそこの謎を追っているうちに現在のなぞも解決してしまうというようなつくりのミステーです。お薦めです。

●宮部みゆきの『ブレイブストーリー』は家族を取り戻すため少年が冒険ででますが、最初の現実世界のくったくした内容がかかれているからこそ、幻界の世界のストーリーが生きている感じがします。

●筒井康隆さんを読んできたのですが、『愛のひだりがわ』片腕のない少女が家族にも雑な扱いを受けて家を飛び出してしまうのですが、彼女は特殊な能力をもっています。そこでいろいろな出会いがあって、でも最後がめちゃめちゃな終わり方でびっくりしました。
小松左京の『日本沈没』の刊行2週間後に『日本以外全部沈没』お書くような人だからかなぁ。主婦が徒党を組んで窃盗を働く短編もありました。裕福なご家庭ばかりねらって入り込み元気と食糧のみを狙ってうばってきます。充分なクリアができないので、ほかからいただきましょうと主婦たちは自分たちの行動をふりかえることさえしません。あまつさえ入り込んだ家の主婦を縛りつけるだけでなく、命をいただいて去っていくのです。理不尽ですよね。

まだまだ話題はつきなかったのですが、次回を5月25日に決めて終わりました。
ブックカフェは誰でも参加できます。よかったらいらしてくださいね。