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2016年10月11日(火) OICブックカフェレポート

肌寒い1日となった午後、OICブックカフェを開催いたしました。
参加者は二人でしたが熱烈な語り合いとなりました。

経営学部3回生と政策科学部2回生の女子2名で本について語り合いました。

こんな本が話題になりました

  • 『人物画テスト』を読みました。これはいろいろな人に1枚の紙を渡して絵を描いてもらい。その人の特徴を窺い知るというものです。
  • 『入門犯罪心理学』は、犯罪者に絵を描かせて分析しても、治療にはならないと言っています。この行動をとおしてコミュニケーションを取ることや、患者を理解するツールになれば役にたつのではないか。どこか心の疾患があって犯罪を起こしてしまう人に対して、厳罰主義でなく今後支えられる社会になれればいいと思ったりしました。(よほど成熟社会でないとむずかしいねの声)
  • 夏目漱石は、『こころ』を読んで感じますが、罪悪感に満ちた小説だと思います。人の罪と孤独を感じさせます。
  • 高校の時「精神的向上心のないものは馬鹿だ」が流行りましたよね。
  • いろいろ屈託のある本を読んでいると清涼感あふれてくるのがエンデの『モモ』です。時間を失ってせかせかと生きてしまう人間が出てきて、読み返すと、やはり人間にとって大切なものは何かが伝わってきて、昔の記憶のまま心があたたかくなってきます。
  • 小学校の時に読んだ本ですぐ泣ける本があります。『ごんきつね』です。
    「ごん、おまえだったのか・・」でダーと泣いてしまいます。死んでしまって取り戻せないという事実、そのやるせなさで泣きます。
  • 横光利一のどの本だったか忘れたのですが、馬車にいろいろな階層や性格の人が乗り合わせていて、そこに一匹の蠅もいる。そしてどうしてだか馬車が崖から落ちてみんな死ぬのですが、そこから蠅だけがすーと飛んで行って生きているというお話です。読んだときその理不尽さに茫然としました。
  • どの本だがタイトルもわからないのに気になっている本があります。
    姉妹がいて、その姉が蛹となって脱皮します。妹はその様子を見て、驚きます。
    なぜなら姉がその脱ぎ捨てた蛹をむしゃむしゃと食べてしまったからです。
    中学生ときにはわからなかったのですが、今考えると成長して変わらなければいけないのだけれど、過去の自分を愛おしむ気持ちからなのかなと思ったりしています。

  • 『キャプテンアメリカ』はおもしろいです。映画がよいです。
    70年前に氷河で一度死んだキャンプテンアメリカがコールドスリープ状態になって現代に生き返るというお話です。そして人を救う使命を持って生きていくのですが、すでに知っている人も恋人もいないという喪失感に苛まれます。
    そしてかつての友人が死んだと思っていたのに生きていて敵の手のうちにあるということがわかります。その友人を救うために自分の組織を失います。そしてその救った友達とも別れがあります。何も残らない、何も救われない、報われないキャプテンアメリカを見てください!!
  • はやみねかおるは中学時代のバイブルです。『都会のトム&ソーヤー』がいいです。読み手の冒険心をくすぐるし、ミステリー的要素もあるし、困難を身近なもので乗り切って潜り抜けて、安定感もあるし、お薦めです。この読みやすさは古いRPGをしているようなイメージですよ。
  • またこれもタイトル忘れたのですが、作家さんが奥さんのガンの闘病記を書いていて、日常の描写を続けているのに、亡くなったあと、5ページもの白紙が続いて、何も書けない様子をあらわしていて、それでも一番最後に「ありがとう」と書いていて衝撃を受けました。
  • 夫との関わりで精神を病んでいる妻が日常を表記する中で、最後に絶望の縁で真っ黒に塗ったページが出てくる本がありました。これも衝撃です。
  • 今日はタイトルが分からないシリーズが続きますね。
    太宰治とかその当時の文豪は幸せだと小説が書けなくて、苦しみや屈託のすえに芸術が生まれるような感覚を持っていて、それを演出していたのでは?
    あれだけお金持ちの家に生まれて何不自由もないくせにと思ってしまいます。
    心中もかっこつけに思えて・・。
  • 死んでもいいかなと思うのが、シニカルなかっこつけとしたら、最後の心中は女性に引きずられたのかなぁ。まだ死にたくなかったような気がしてしまいます。
  • 『人間失格』がいちばん有名ですが、デビュー作の『晩年』も死のうと思っていた、もらった着物の生地が夏物だったので夏まで生きていようと思ったと委任滅滅な感じではじまります。確かに負のイメージが芸術につながるという感覚はありそうですね。
  • 私は漫画クラブに入っているのですが、イカ神様というキャラを持って、創作を続けています。戦争があって外に出られなくなった女の子が100年も洞窟で暮らしていて、早く戦争が終わらないかなと思っている女の子をイカ神様が励ますというような・・。短いものですが、一つのメッセージ、一つのテーマで書くようにしています。
  • 送り手側になるというのはすごいことですね。もっとこのキャラを活躍させてくださいね。

ご報告する内容はここまでなのですが、実はこの回は打線しまくりで、アニメの話で大変盛り上がりました。「おそ松さん」とか「怪物くん」「デビルマン」「マジンガーZ」などなど いずれもアニメで焼き直しがされている作品ですね。でも出席者は前の古い分もよくご存じで、さすがインターネット世代とう感じでした。

次回はもっと、学生さんを呼ぼうと誓い合って、11月15日(火)18時からいつものおうにOIC食堂でブックカフェを行うことになりました。
OICみなさん、のぞいてみてくださいね。