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第9回読書マラソン立命館コメント大賞表彰式が12月20日(金)18時より朱雀キャンパスにて行われました。大学キャンパスからは74作品(応募数37名)で、附属校からは509作品の応募を頂きました。13名の方が立命館コメント大賞を受賞されました。
受賞者がぞくぞくと集まる中で、山本生協理事長よりう開会の挨拶をいただきました。
作品『レヴィ=ストロ-ス講義』で大学グランプリを受賞された文学部2回生の高橋佑太さん。人類史から見た人類の奢りを見据え、現代に生きる私たちの使命という問題意識を語ってくれました。哲学がとても身近に感じるような伸びやかな文章が評価されました。
作品『心臓に毛が生えている理由』(米原万里)で衣笠キャンパス賞を受賞された文学部4回生の伊藤寛子さん。ロシアの強制収容所に入れられた女囚たちの心の慰めになったのは、本であった。人間と動物を分かつものは精神であり、それを支えるのが文化であり、美術であると語ってくれました。
作品『細雪』(谷崎潤一郎)でBKCキャンパス賞を受賞された理工学部3回生の大島草太さん。一文一文が長いことの本を読みこなし、川の如く流れる文章、何気ない日常描写の妙など「日本語」は美しいと書ききった文章が高く評価されました。
作品『僕たちは世界を変えることができない』(葉田甲太)で生協理事長賞を受賞された経営学部1回生の長谷部里紗さん。ガンビジアに小学校を建てることを決意した主人公の生き方が自らもボランティアについて考え、ボランティアに参加するきっかけになったと熱い思いを書いてくれました。
作品『若様組まいる』(畠中恵)で図書館長賞を受賞された法学部3回生の松尾美紗さん。時代のせいなのか理不尽な世の中でも覚悟を決めて生きる。その力強さを見せつける。誰かが、誰もが悔しくて不安で心細い。そんな私たちとの対比を見事に書いてくれました。
作品『四畳半神話体系』(森見登美彦)で全国コメント大賞銅賞を受賞された文学部2回生の番場桃子さん。その栄誉を讃えて立命館では全国にはばたいたで賞を受賞されました。本によって大学の楽しさや奇想天外さを妄想していたのに、現実はそうでもない。平和な穏やかな日常の中で、もう一つのキャンパスライフを目指す心情が支持を受けました。
作品『いのちの食べ方』(森達也)でふらっと賞を受賞された法学部4回生の吉越大也さん。今食べているものが10年後の身体を作る。その中で「生きるとは他の生命を奪うこと」を実感できることが大切と語ってくれました。
作品『子どもの宇宙』(河合隼雄)でリンクショップ賞を受賞された経営学部1回生の山本隆博さん。
近頃メディアは、子どもは命を軽く考えるとしているが、それは違って大人以上に死というものを真剣に考えていると語ってくれました。
作品『マリア・ビ-トル』(伊坂幸太郎)でリンクショップ賞を受賞された理工学部3回生の田中暁之さん。情報操作されている周りに同調して行動している恐ろしさ、その中でほんとうに自由に行動する術は私たちにあるのかを問うてくれたコメントでした。
図書館長の法学部平野先生が、図書館長賞の受賞作品を中心に立命館コメント大賞のまとめをしてくれました。
受賞者と主催者全員で記念写真を撮りました。
その後、授業が終わって駆けつけてくれた文学部2回生の永田夏帆さん。作品『最初の人間』(カミュ)でふらっと賞を受賞されました。何かをするとは自分のために動くこと、誰かのためなんて幻想だと言い切る中で、最後に誰かのための人生はそう悪くもないかもという哲学的なまとめをとても効いていたコメントを書いてくれました。
おなじく駆けつけてくれた生命科学部2回生の栁井花奈さんは、作品『アルジャ-ノンに花束を』(ダニエル・キイス)でリンクショップ賞を受賞されました。初めから失われることがわかっているのに与えるということはなんと残酷なことだろうとその悲しみを表現してくれました。
表彰式表彰式のあとは懇親会が行われ、受賞作を始め、いろいろな本について参加者で語り合いました。
今後は、衣笠、BKCの書店で「コメント大賞フェア」が開催されます。受賞作を本とコメントで楽しめるのでみなさん、是非みなさまお立ち寄りください。