ナビゲーションをスキップ

web RUC/Ritsumeikan University Coop Canpus Communicatuon Magazine

読書百遍

 

「水の未来~世界の川が干上がるとき あるいは人類最大の環境問題」
 現代の環境問題イコール地球温暖化として、温暖化の危機がしきりに説かれていますが、それに劣らぬ環境の危機が進行しています。人類にとって最も深刻、かつ緊急の環境問題とは、河川や地下水が干上がることで生じる水不足です。地球が水の惑星といっても、人間に不可欠は真水の水源は危機の中にあります。世界中で起きている水の危機の現状とそれに伴う原因を追究します。現在私たちは快適な暮らしを送るために年間約2千トンもの水を消費しています。この本は水の環境問題を意識させられる本です。

出版社:日経BP社
著者:フレッドピアス
訳:沖大幹

 

「見えない巨大水脈 地下水の科学」
 地球には海があり、一見、水は有限に使用可能という錯覚に陥ります。しかし、地球上の水のほとんどは海水です。人類が使用可能な淡水は、大部分が私たちの足もとを流れている地下水であり、それは地球上全体で0.66%に過ぎません。私生活では気づきませんが、人類は1%にも満たない地下水に依存して生きていることが現状です。過剰な汲み上げによる枯渇、人間活動による汚染など様々な問題が起きている中、私たち一人ひとりが地下水利用を見直し、自発的にこれからの水利用について取り組まなければならないと考えさせられる本です。

出版社:講談社
著者:井田徹治

 

老人と海
 ヘミングウェイの代表的な小説であるこの作品の名前だけは聞いたことがあるが、どのような作品か知らないという人が大勢いるかと思います。この作品は、カジキと闘う孤独な老人の漁師のサンチャゴの話で、闘いの末にカジキをつかまえるものの、港に戻るまでの間に、サメに食べられてしまうというお話です。映画化もされたことのある、この有名な作品を一度読んでみてはいかがでしょうか?

出版社:新潮文庫
著者:ヘミングウェイ

 

DIVE!!
 この作品は、飛び込みを題材として書かれたスポ根青春小説で、第52回小学館児童出版文化賞を受賞した作品の文庫版です。これは、主人公の坂井知季、沖津飛沫、冨士谷要一たちが彼らの所属するダイビングクラブの存続のためにオリンピックの日本代表選手を目指し、日々過酷な練習をおこなっていくという物語です。様々なスポ根小説がありますが、その中でも珍しいと思われる飛び込みという種目について書かれてあるこの作品を読んでみてはいかがでしょうか?

出版社:角川文庫
著者:森絵都

 

イン・ザ・プール
 伊良部総合病院の神経科、精神科医である伊良部一郎。彼は、色白、肥満、マザコン。患者よりも無邪気な精神科医。ここの病院に訪れる患者は、プール依存症、陰茎強直症、妄想壁、と普通の人とは違った悩みを持っています。伊良部は、病院に訪れる患者を治療していくのですが、それは本当に治療なのか。ただのバカなのか。現在は、ドラマ化され映画化も予定されています。短編集になっているので、とても読みやすい一冊です。

出版社:文藝春愁
著者:奥田英朗

 

空中ブランコ
 『イン・ザ・プール』の続編。この本は、一作目同様に四つの作品の短編集になっています。またまた、様々な悩みを抱えた患者が伊良部のもとへ。今度は、サーカスの団員や、野球選手…相変わらず伊良部は暴走してばかり。この医者は、本当に治療する気があるのか!?と、思わずつっこみたくなるような笑える一冊です。この本は、直木賞を受賞していてとても楽しい作品です。

出版社:文藝春愁
著者:奥田英朗

 

霧のむこうのふしぎ町
 夏休み、主人公リナは、お父さんの知り合いがいるという「霧の谷」で過ごすことに。向かう途中に傘が風で飛ばされ、追いかけている内に、ふしぎな町にやってきます。リナが初めて出会ったのは、とてもいじわるで口の悪いおばあさんでした。“自分の食いぶちは自分で働いて稼げ”と言われ、この町で色々なお店のお手伝いをしながら過ごすリナ。働き先では不思議なできごとや事件が起こっていく、というファンタジーです。まったりしたい時におすすめの一冊。この本は、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」の原作となった作品です。

出版社:講談社
著者:柏葉幸子

 

最後の息子
 「最後の息子」「Water」「破片」の三つのお話が入っている短編集です。ここで紹介するのは、三作目の「Water」。主人公は長崎の高校水泳部のキャプテン凌雲。幼い頃からいつも一緒に過ごしてきた凌雲と敬一郎。高校生活最後の県大会に向けて部活動に明け暮れる日々を過ごします。しかし、二人の間に微妙な空気が流れ始めていて…? 物語のラストは、まるで映画のように描かれており、ただのハッピーエンドでは終わりません。吉田修一が自身の青春を投影し、芥川賞も受賞した明るく爽やかな青春小説です。

出版社:文集文庫
著者:吉田修一

 

水のまなざし
 この本は、ピアニスト・エッセイとして知られる著者の初めての小説です。音大の付属高校に入りプロのピアニストを志す真琴。ピアノから聞こえてくる声と一緒に歌っている内に声が出なくなってしまう。その原因がどこにあるのか、その声とは一体なんなのか…。厳しいピアニストの競争から脱落し、目的を見失った真琴を、祖母を始めとする「水生」の村の人々が温かく迎えて、田舎の生活は真琴の心を癒し、真琴は自分の心の過去と向き合っていくことになります。専門用語が少し多いですが、音楽と本が好きな方におすすめの一冊です。

出版社:文藝春愁
著者:青柳いづみこ

 

雨恋
 ヒロインは幽霊。引っ越してきた部屋には幽霊が住んでいた。彼女は自分を殺した犯人を見つけてほしいという。雨の日だけ現れ、脚しか見えない幽霊、千波。彼女の死の真実を解き明かすために、奔走する渉。少しずつ見えてくる真実と共に、千波の姿もどんどんはっきりしていきます。調査が進む中で二人の間には恋心が芽生え、すべてが明らかになった時…。ミステリーとほのぼのとした恋愛、両方が楽しめる一冊です。

出版社;新潮文庫
著者:松尾由美

 

 

前へ戻るSITE TOP