アイスホッケーって?
「氷上の格闘技」と呼ばれるアイスホッケーは、基本FW3人、DF2人、GK1人の計6対6で、円柱状のパックというものをゴールに入れるのを競うスポーツです。選手は全身に防具をつけて、スティックという棒でパックを扱います。選手はいつでも自由に交代が可能で、40秒~1分ぐらいで、次々と選手が入れ替わります。氷上にいる間はほとんど全力で走っているので、とても過酷なスポーツですが、狭いリンク内で繰り広げられる激しいボディーチェックやスピード感溢れるところが魅力の、とてもやりがいのあるスポーツです。
今後の予定
アイスホッケー部は、週に3回ほど氷上練習・陸トレがあります。主な予定は、5・6月に関西インカレ、8・9月に夏合宿・サマーカップ、10・11月に関西リーグ、12・1月にインカレ合宿・インカレとなっています。現在、関西リーグの真っ最中です。ぜひ、足を運んでください! 活動予定はHPに載っています。
キャプテンのひとこと
今年のアイスホッケー部の目標は、関西リーグ優勝、インカレ優勝です。そして、アイスホッケーを通して、立派な人間に成長することです。今年のチームは、人数が例年よりも多く、とても元気があり、楽しんでアイスホッケーをしています。しかし人数が多い分、1つにまとまるのが難しく、今のチーム状況では、まだ優勝するには値しません。だから、自分が中心になってチームを引っ張り、これからさらにレベルアップをし、悔いの残らない結果にしたいです。このチームでアイスホッケーをできるのはあと数ヶ月なので、強い気持ちを持って、最後まで頑張ります!経済学部 4回生 S
主な活動紹介
劇団月光斜は役者、演出、衣装、音響、製作、舞台、照明、情報宣伝、宣伝美術、振り付け、映像の部署から構成されている立命館大学を代表する劇団です。普段は学生会館3階の5ホールで、月曜日から土曜日の週6回練習をしています。16時20分から18時10分まで役者は基礎練習、その他のスタッフはそれぞれの準備をします。基礎練習の内容としては、ランニング、柔軟、筋トレ、転換(体をすばやく瞬時に動かす練習)をしています。さらに、エチュードという台本のない状態でする即興劇の練習もしており、役者のアドリブ力を鍛えています。18時10分からのミーティングでは、各自連絡事項のほか、部員の1人がみんなの前でいい話や感動する話、テンションの上がる話をして部員全員を盛り上げる「今日の1人1言」ということをしています。そしてミーティング後から21時30分までは、演出が仕切ってシーンごとの練習がおこなわれます。練習終了後は自主練習の時間で、ほぼ全員が残って管理人のおじさんに追い出されるまで練習をし、追い出されてからは近くの公園や神社で練習をしています。本当に毎日の練習が大変で忙しいですが、それだけ充実感がありますし、みんな好きでしていることなので、まったく苦ではありません。
構成
1回生…12名
2回生…9名
3回生…15名
4回生…8名
ココがスゴイ!!
先ほども述べたように劇団月光斜は週に6日練習しており、他の劇団と比べても練習時間が長く、かなり本気な劇団です! キャンパスライフのほとんどを月光斜に費やしていると言っても過言ではありません。そのおかげか、公演での集客数が昨年の秋ごろからどんどん増えてきており、400~500人の集客は当たり前になってきました。おそらく立命館大学の中では1番の集客数の団体でしょう。次の公演で集客数600~700人を目指しています!
また、みなさんも1度は見たことがあるかと思いますが、昼休みに大きな声を出してビラ配りをしています。この声出しの理由は、ビラ配りだけでも宣伝になりますが、もらってくれない人もいるし、渡せない場所に人がいるときもあるので、その人たちにもアピールができるようにするためです。私たちは常に人に見られていることを意識しながら緊張感を持ってビラ配りや声出しをしています。恥ずかしさなんてあったら役者として通用しないのでそういった気持ちはまったくありません。そして何より月光斜の公演をみんなに見て欲しいという気持ちが強いんです。
私は中学生の頃からずっと芝居に興味があり、大学生になったら絶対に劇団に入ろうと思って、いくつか劇団を見ていった結果、ダンスもありギャグ性もありメッセージ性も込められている劇団月光斜に決めました。
月光斜に入ったおかげで芝居の楽しみやファンのできる喜びを知ることができました。また、立命館を飛び出して外で芝居をすることもできました。そして将来も芝居でやっていきたいと思っています。月光斜に入って本当に良かったと思っています。今後はお客さんが見て幸せになれるような芝居を目指して頑張っていきたいです。 国際関係学部 3回生 あんずっこ
この特集では、みなさん立命生の「年末年始の恒例行事」を紹介したいと思います。毎月立命生のみなさんにどんどんRUCに参加していただきたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします
今月のテーマは!?「年末年始の恒例行事」
in 衣笠キャンパス
「家族と過ごす」
文学部 1回生 たっちゃん
出身:愛知県
「初蹴り」
文学部 1回生 ゆか
出身:大阪府
「バイトしてます。」
映像学部 1回生 どエス
出身:京都府
「年賀状返すのに必死。」
法学部 1回生 はる
出身:京都府
「いや、むしろカニ鍋の事しか考えられへん」
文学部 1回生 ヒサリ
出身:奈良県
「こたつアイス!」
文学部 2回生 ぼにぼ
出身:徳島県
in BKC
「忘年会in木股研」
理工学部 4回生 木股研広報
出身:石川県
「紅白出場」
経営学部 2回生 UTI林
出身:コリン星☆
「シーサーをみがく」
理工学部 3回生 ゴヤっち
出身:沖縄
「ガキ使!」
経営学部 1回生 あっさー
出身:愛知県
「カレー対決 書き初め」
経済学部 3回生 元会長
出身:兵庫県
「カメの水かえ」
情報理工学部 3回生 MINAMI
出身:三重県
参加してくれたみなさんありがとう!! そしてRUCを読んでくれているみなさんありがとう!! これからどんどんRUCにみなさんを載せていきたいと思いますのでよろしくね!!
ピースナウとは?
Peace Now!は、1981年から現在までの27年間、大学生協の平和活動の根幹として取り組まれてきました。
平和に対する現地の想いを広げるため、現地の学生組合員が中心となり実行委員会を組織し、準備・設営されてきました。現在まで多くの組合員が参加し、広島・長崎・沖縄の戦争被害を追体験することなどから戦争の惨禍を知り、平和を考えるきっかけとして、時代を超えて組合員から組合員へと語り継がれてきた非常に価値のある活動であるといえます。(全国大学生協連2008年度第3回理事会文章より抜粋)
Peace Now!からPeace「Future!」へ~平和は私たちが創る!~
ピースナウの種類
ピースナウには沖縄以外にも広島と長崎、京滋・奈良地区だけの舞鶴があります。
広島では平和記念式典に参加し、核兵器の与える影響と平和を学習します。
どのピースナウでも平和について学習して、これからの平和について自分で考えます。
長崎でも平和祈念式典に参加して、被爆者たちの想いを感じます。
舞鶴は京滋・奈良地区だけのピースナウであり、他のピースナウに比べて気軽に参加できます。
舞鶴では京都の平和について学ぶことができ、地域の平和を知ることができます。
ピースナウ沖縄の日程
3日目
道の駅かでな
座喜味城跡
コザ
コザ地域には大きな米軍基地があり、そこで沖縄の大学生からお話を聞きました。
宜野湾市役所
4日目
4日目は自分で行きたいFWを選んで行きました。
●例えば…
慰安婦問題
伊江島
座り込み
ひめゆり
資料館など
訪れた沖縄の各地
忘れない過去、伝えよう未来へ
沖縄の現状
沖縄県といえば白い砂浜、青い海、おいしい食べ物などが連想され、観光、リゾート地としての沖縄県が頭に浮かびます。しかし、その華やかさの裏では太平洋戦争の傷跡がまだ残っていて、多くの問題を抱えている県です。
初日に私達が訪れた普天間飛行場は宜野湾市に位置し、面積4805千平方センチメートルの広さを持つ米軍の基地です。普天間飛行場の施設は、第3海兵遠征軍第1海兵隊航空団第36海兵航空軍のホームベースとなっていて、ヘリコプター部隊を中心として71機の航空機が配備されています。この施設は、普天間海兵隊航空基地隊によって管理運営され、施設内には、滑走路、格納庫、通信施設、整備・修理施設、部品倉庫、部隊事務所、消防署があるほか、PX、クラブ、バー、診療所の福利厚生施設などがあります。
そしてこの飛行場で問題になっているのは、ここでおこなわれる飛行機やヘリコプターの離着陸訓練です。
この訓練によって騒音の被害が出ているだけでなく、飛行機の墜落による事故も多発しています。
最近の例だと、2004年8月14日に普天間飛行場からすぐ近くにある沖縄国際大学に、普天間飛行場から飛び立った飛行訓練中のヘリコプターが墜落しました。幸い、大学が夏休みの期間中で学生がほとんどいなかったので死亡者はいませんでしたが、この事故は沖縄県民が米軍基地の存在の危険性を考える上での大きなきっかけとなったと言えます。
しかし、ただ単に米軍基地がなくなってしまえばいいという考えはできません。その理由は、沖縄県が米軍に基地の土地を貸すことによって手に入る資金が沖縄県の大きな収入源となっているからです。普天間飛行場の場合、年間賃借料は61億8300万円にもなります。また、他の地域では米軍基地のおかげで栄えた街もあり、基地付近にはアメリカ人向けの店舗が立ち並んでいます。基地の存在に不満を持ってはいますが、もし基地がなくなってしまったら街の収入源がなくなってしまうことになります。米軍基地問題は一筋縄ではいかない難しい問題です。沖縄県ではこの問題に非常に頭を悩ませています。
沖縄県には太平洋戦争で沖縄を舞台に米軍と戦った際に、負傷した日本兵を収容していた洞窟(ガマ)が今でも残っています。有名なひめゆり学徒隊が介護をしていた場所で、実際にガマに入り、かつてここで数多くの日本兵が死んでいったと考えると、改めて戦争の悲惨さを感じられました。ガマの中では、米兵が放り込んだ爆弾によって、吹き飛んだドラム管が洞窟の天井に突き刺さっているという恐ろしい光景も見ることができます。沖縄県の裏では、表のリゾート地からは想像もつかない現状が存在しています。
体験者の話
沖縄戦が始まるとすぐに私たちは学徒隊としてガマに配属され、戦場のど真ん中に立たされることになりました。ガマの中には次から次へと負傷した兵隊さんが運ばれてきましたが、すぐに中は人で埋め尽くされ、うめき声と異臭の漂う恐ろしい空間になっていきました。
何より1番恐ろしかったのはウジです。傷口に包帯を巻いているとその中で繁殖してどんどん大きくなり、兵隊さんの体をどんどんむしばんでいきました。
戦争は本当に恐ろしいものです。私は学徒隊で生き残った数少ない1人として、これからも人々に戦争の恐ろしさを伝えていかなければならないと思っています。
今まで知らなかった沖縄
沖縄県では米軍の基地問題をめぐって市民の戦いが今も続いています。先ほども紹介した普天間飛行場は、周りに大学や住宅地が多かったために市民の反対が強く、政府も米軍への交渉を試みていました。しかし、米軍の出した答えは基地を撤退させるのではなく、違う場所に移動させようというものでした。そこで移転場所として決まったのが辺野古(へのこ)です。ここはエメラルドグリーンの海が特徴でジュゴンが度々見られることで有名です。もし、辺野古に基地が建てられてしまったら、この美しい海が潰され、ジュゴンが基地の飛行機の騒音に怯えて近寄らなくなり、海辺にある彼らの主食である海藻類が食べられなくなってしまいます。そうすると辺野古の生態系が大きく変化します。当然のごとく市民は移設に反対しましたが、市長が独断で移設を認めてしまい、市民の戦いが始まりました。
移設予定地の前に座り込んで工事を妨害して、移設をやめさせようとしています。妨害をするといっても、冷静に話し合いをすることによって穏便に済ませたいというのが市民の気持ちです。しかし、1度工事側が納得して帰ったかと思いきや、真夜中の市民がいない間に忍び込んで勝手に工事を始めてしまうということが何度か起こりました。それでも市民は、今もその怒りをぐっとこらえて座り込み、話し合いをしています。けれども、工事は移設へ向けて少しずつではありますが着々と進んでいっています。
参加者の感想
僕は今回初めて沖縄に行ったのですが、やはり最初はリゾート地としてのイメージが強くありました。しかし、実際にさまざまなところへフィールドワークに行き、決して表には出てこない沖縄の現実を知ることができました。政策科学部 2回生 T.S
5日間は本当に充実していました。朝から夜まで時間を使って沖縄の平和について学びました。普段生活していて友だちと平和について真剣に語ることはほとんどないので、いろんな学生と意見交換ができてとても楽しかったです。国際関係学部 1回生 A.Y
ピースナウに参加してみて、今ある平和は昔の悲劇の上に成り立っているのを改めて実感でき、この過去を伝えていく必要があると思いました。小さなことでもいいので、自分のできることをしていこうと思いました。情報理工学部 1回生 I.M
このピースナウ沖縄に参加して、沖縄で起こった戦争の詳しい事実と、現在の沖縄が抱えている様々な問題を学ぶことができました。
4泊5日という期間はとても長いように見えますが、沖縄について学ぶにはあまりに短かったので、独自に勉強して沖縄についての知識を深めたいと思います。理工学部 1回生 S.Y
終わりに
今回のピースナウ沖縄を通じて、私達は現代の普段の生活ではほとんど話をすることがない「平和」ということについて真剣に向き合う良い機会になりました。毎日フィールドワークをして沖縄のリアルな現状を知り、そのたびにほかの学生と意見を交換し合い、すべてが衝撃的で刺激的でした。
私たちは戦争の体験者から話を聞くことのできる最後の世代だといわれています。私達ができることは、多くの戦争体験者から話を聞いて、いかに後世に伝えていけるかを考えていくことだと思います。
みなさんも観光地として沖縄に遊びに行くだけでなく、沖縄を違う角度から見てみませんか?
学食チャリティープロジェクトって?
政策科学部 4回生 k.k
2008年5月、ミャンマーでサイクロン、中国四川省で大地震が発生しました。どちらも死者数が数万人を超える未曾有の大災害。災害発生から5ヶ月以上が過ぎていますが、今も多くの学校が倒壊したままという現状があります。
学生である私たちが被災地に行って何か支援活動することは難しいかもしれません。しかし、日本にいても協力できることはきっとあります。
災害があったことを忘れたくない。今、自分たちにできることをしたい…、そんな想いからこの企画は生まれました。
この企画では、売り上げの10%を募金にあてるチャリティーメニューを立命館大学生活協同組合の協力のもと、衣笠キャンパス・BKCで提供するものです。学生の誰でもできる社会貢献として、普段何気なく食べている学食にチャリティーメニューを導入することで、災害地への意識啓発と募金活動をおこないます。
この活動によって集まった募金は、中国四川省大地震、ミャンマーのサイクロンで被災した地域の学校再建と教育復興支援に使われます。毎日食べる学食で、海を隔てた中国とミャンマーの子どもたちのために少しでも役に立つことができたらと思います。
各地の被災状況
2008年5月4日、ミャンマーを大型サイクロン「ナルギス」が襲い、5月12日には中国四川省を震源とするマグニチュード8.0の大地震が発生しました。ミャンマーでの避難者数は11万人を超え、緊急に支援が必要な子どもたちは100万人にのぼると考えられています。被災者はミャンマーでは250万人、中国では460万人を上回っています。中国四川省では約6900の学校が倒壊しました。また、サイクロンの被害が最も大きい地域では、地形の問題上、救援物資が届きにくいといった問題もまだまだ存在しているのが現状です。
中国四川省に行って
四川大地震から約3ヶ月が経過した8月、私は四川省都江堰市の被災現場にいました。
首都の成都からバスに乗り、被災地域の1つである都江堰市に近づくと外の景色が徐々に変わり始めました。周囲の建物には亀裂が入り、住民は路上でテントを広げ商売をおこなうなど、地震の爪あとが見られました。しかし、最も深刻な被害を受けていたのは地域の学校でした。そこにあるはずの学校はもはや跡形もなく、目の前には瓦礫の山が広がっていました。
地震発生から半年が経過している今、自分たちにできることはないか? もう1度問い直す機会になりました。
集まった募金は?
学食チャリティープロジェクトでは、売上の10%を募金として集めます。ミャンマー、中国四川省の被災地域では、災害で校舎が倒壊し、学校に通えない子どもたちが多くいます。そんな子どもたちに教育の場を取り戻すため、また、学校を中心とした地域コミュニティーの復興を支援するためにこの募金は使われます。
このプロジェクト以外にも立命館大学の学生や教職員の方々がさまざまな形で募金活動をしています。それら全体の目標額は3000万円です。今回は、そのうちの300万円を集めることが目標です。
チャリティーにご協力お願いします
今後の提供予定メニュー
中国料理・ミャンマー料理
<中国料理>
<ミャンマー料理>
インドネシア料理
季節と地産地消を意識した和食
インドネシアでは
インドネシアも中国四川省大地震や、ミャンマーのサイクロンの被害を被っています。それだけでなく、インド洋大津波、ジャワ島中部地震といった災害の被害もありました。インドネシア料理を提供することは、これらの災害を忘れないように、という想いがあります。
日本食を見直そう
今回の企画では身体にも環境にも優しい、健康的な昔ながらの日本食も提供します。地産地消、地域で生産し、地域で消費することをテーマに、大根の葉から皮まで素材を丸ごと使えるような料理を提供します。
これを機会に、日本食や食そのものについて見直すのもいいかもしれません。
2008年の5月、中国とミャンマーのニュースが流れたときに、多くの学生たちが立ち上がり、募金活動やチャリティーイベントをおこないました。
中国四川省大地震では、四川省内だけでも約6900棟もの学校の校舎が崩壊したといいます。
「目の前でたくさんの友人の命を失ったこどもたちの心の傷がどれほどのものか?」 …少し考えただけでも心が痛みます。
私たちは、そうした辛い目にあった子どもたちのために何かできないか? という想いから、学食チャリティープロジェクトを企画しました。
学食でチャリティー・メニューをみなさんに買っていただくと、価格の一部が学校再建と教育復興のための募金になります。学食を通じて、学校を失った中国とミャンマーの子どもたちにもう一度学びの場を提供し、元気になってもらえるきっかけになればと思います。学食チャリティープロジェクト統括代表 Y.K.
今年も残すところあと1ヶ月になりました。年末年始は忘年会やクリスマス、お正月や新年会などと楽しいイベントが続きますね。そしてなにかとお肉を食べることも多いと思います。お肉はおいしいからといって、お肉ばかり食べていたりしませんか? お肉と上手に付き合って健康的な食生活をおくりましょう。
お肉について詳しく知るために栄養士の奥井智美さんと鼎談しました。
メンバー
奥井 智美(栄養士)以下奥井
S.A(経済2回生)以下S
F.A(経営1回生)以下F
どうしてクリスマスに
七面鳥??
クリスマスに七面鳥を食べる習慣はアメリカからヨーロッパへ逆輸入されたものだそうです。イギリスからアメリカへ移り住んだピューリタン(清教徒)が初めての収穫祭に、野生の七面鳥を食べたことが始まりです。それがヨーロッパへ伝わり、クリスマスや感謝祭のメニューとして定着していったといわれています。
お肉のひみつ
S:クリスマスの時期には七面鳥やローストビーフなどお肉を食べる機会が多いので、お肉の栄養素が気になりました。鶏肉には主にどのような栄養素が含まれていますか? お肉の秘密を教えてください。
奥井:鶏肉にはお肉の中でも特にたんぱく質が多く含まれているんですよ。スポーツ選手がささみなどの鶏肉をよく食べるのはそのためです。鶏肉は脂肪が少ないんです。また鶏肉にはコラーゲンも含まれています。ビタミンCと一緒に取ると効果的ですよ。ビタミンCはどんな食材に含まれているかわかりますか?
F:レモン! アセロラ!
S:アセロラとかなんかマイナーだね。ほかにはイチゴとかみかんですか?
奥井:そうそう! あとキウイとかすっぱいもの。たとえば、お酢や梅干などにもビタミンCは豊富なんですよ。そういえば、なんかスポーツはやってる?
F:僕はサッカーやってます。
S:僕はテニスですね。
奥井:2人とも持久力のいるスポーツだね。試合の前日に豚の生姜焼きや肉じゃがなんかを食べると炭水化物がエネルギーになりやすいから効果的よ。
F:そうなんですか! すごいですね。サークルでサッカーをやっているので、前日に豚の生姜焼きを食べたらバッチリですね。ご飯もすすみますし。
奥井:ご飯だけを食べても消化されなかったら脂肪に変わるだけなんだよ。豚肉に含まれているビタミン が消化を手助けしてくれて、効率良くエネルギーが使えます。豚肉は玉葱やニンジンと一緒に食べたらより効果的だよ。
S:牛肉にはどんな栄養素があるんですか?
奥井:牛肉は鉄分が特に多いですよ。貧血にとても効果的です。鶏肉と一緒で、ビタミンCが鉄分の体への吸収を助けてくれます。ただ、お茶やコーヒーなどに含まれているカフェインは鉄分の吸収を妨げてしまうので、一緒に飲んではダメですよ。
S:そうだったんですか! オレンジジュースを飲みながらならバッチリですね。お肉は血液がドロドロになるようなイメージがありましたけど、上手に食べたら健康に良いんですね。
奥井:血液がドロドロになるのはお肉には油分も多く含まれているからなんだよ。豚カツなんかはおいしいけど、豚肉自体に油が含まれていてさらに油で揚げるから油がどうしても多くなってしまうね。
F:油を避けるにはどうしたら良いですか?
奥井:油を使わない方法で調理したらいいよ。例えば煮込んだり、豚しゃぶにしたりとかは油を使わないから良いよ。あと、お肉を選ぶ際に油が少ないものを選んだら良いよ。お肉を食べるときに肉ばっかりじゃなくて野菜とバランスよく食べることも大事だね。
S:お肉は適度に食べたら体に良いんですね。奥井さんは鶏肉を上手に食べてるからお肌がプルプルでいつも若いんですね。笑
奥井:ありがとうございます。笑
S:僕もお肌プルプルになります! 今日はありがとうございました。
全員:ありがとうございました。
食堂メニューの紹介
ここでは食堂にある牛肉、豚肉、鶏肉を使ったメニューを紹介します。主食になれるメニューばかりです。しっかり食べて体力をつけ、風邪をひかないようにしましょう!
チキンの胡麻唐揚げ
あっさりとおいしくご飯がよくすすみます!
豚肉の生姜焼き
ユニオンスクエアのオーダーメニューのコーナーにあります。
ハンバーグ
ソースにいろいろな種類があります!
お肉を食べよう 鉄分は貧血に効果的!!
これから牛肉、豚肉、鶏肉の組み合わせの良い食べ方を紹介していきます。バランスよくお肉を食べましょう!
牛肉
◎牛肉+ビタミンC×牛肉+お茶
牛肉に多く含まれる鉄分はビタミンCと一緒に取ると吸収が良くなります。お茶やコーヒーに含まれるカフェインは鉄分を吸収する妨げになるので、気をつけましょう。
豚肉
豚肉+アリシン→疲労回復
*アリシンはにんにく・玉葱などに含まれる
豚肉に多く含まれるビタミンB1は玉葱などと一緒に食べると疲労回復などに効果があります。
鶏肉
鶏肉+ビタミンC→はりのある肌に!!
鶏肉は脂が少なく、コラーゲンを多く含んでいます。そしてビタミンCがその吸収を助けるので一緒に食べるとお肌に良いです。
オススメメニュー
・豚の生姜焼き・餃子
→ニンニクやニラなどアリシンを含む食材と一緒に食べやすいので疲労回復に最適。
・豚のしゃぶしゃぶ
→油を使わない調理方法です。ポン酢と大根おろしで食べるとより消化しやすくなりますよ。
・肉じゃが
→煮込む料理方法も油を使わなくて済みます。一緒ににんじんや玉葱、じゃが芋を食べれるのでとても健康的です。じゃが芋は炭水化物を含みエネルギーになります。
☆ビタミンCを多く含む食材☆
○果物(イチゴ、ミカンなど) ○酢 ○梅干し
○じゃが芋 ○ブロッコリー
このコーナーでは簡単に作れる季節にあったレシピを紹介しています。今回はキムチチゲとグラタンです。
キムチチゲ
材料(2人分)
白菜キムチ…250g
長ねぎ…1/2本
赤唐辛子…1/2本
粉唐辛子…大さじ1
水…4カップ
塩…少々
豚ロース…100g
豆腐…1丁
青唐辛子…1/2本
おろしにんにく…大さじ1
ごま油…小さじ1
作り方
栄養士さんのコメント
キムチの栄養素であげられるのはビタミンの豊富さ。これは野菜などのキムチの材料にもともと含まれていたビタミンに加え、発酵でさらに多くのビタミンが作られているからです。キムチチゲは韓国で広く食べられている辛口の鍋料理/スープ料理です。鍋料理だけあってお肉も野菜もしっかり食べることができるので、冬におすすめの料理です。
栄養士 奥井智美
グラタン
材料(2人分)
じゃがいも…1個
玉ねぎ…1/2個
パセリ(みじん切り)…適量
生クリーム…1/2カップ
ツナ缶(フレーク・小)…1缶
ピザ用チーズ…大さじ3
しょうゆ…大さじ1
作り方
栄養士さんのコメント
じゃが芋の主成分というとデンプンですが、ビタミンCやカリウムも多く含み、ヨーロッパでは「大地のりんご」と呼ばれています。ビタミンCの大切な働きの1つに免疫を高める効果があります。ビタミンCってレモンなどにたくさん含まれていて酸っぱいってイメージがありませんか? でもじゃが芋はすっぱくないですよね。これはレモンに含まれているクエン酸が酸っぱいのであって、実はビタミンCはあまり酸っぱくないのです。
栄養士 奥井智美
このコーナーでは、生協の活動や、店舗紹介をしていきます! あまり知られていない生協の活動や、店舗の紹介などを通じて、生協のことにより詳しくなっちゃおう♪ ここでの情報が、みなさんのキャンパスライフに役立つこと間違いなし!! しっかりチェックして利用してくださいね♪
11月3日より、原材料の価格高騰により食堂メニューの価格が改定されました。麺類や鶏肉などを使用したメニューを中心に全体的に値上がりしました。チキンの焼き物メニューは平均40円程度、丼メニューは鶏肉や卵を使用したメニューを中心に30円程度値上がりしました。値上がりしたメニューも多いですが、一部値下げしたメニューもあります。それでは価格が改定されたメニューの一部を紹介していきたいと思います。
味噌汁
21円→31円
グラムバー
1.05円/g→1.2円/g
ささみチーズフライ
241円→262円
豚カツ
294円→315円
副菜
鯖の味噌煮
168円→136円 値下げ
枝豆入りひじき煮
63円→84円
麺類
麺類の中には若布うどん(231円→220円)や海老天そば(346円→325円)など値段が下がるものもあります。
かけうどん
147円→168円
醤油ラーメン
294円→336円
丼もの
ご飯ものとしては、ハヤシライスL(378円→357円)のように値段が上がるものばかりではありません。
麻婆丼M
336円→346円
鶏カツ丼M
367円→399円
以学館食堂 E-platz
朝食バイキング終了と朝食提供方法変更のお知らせ
昨年度より食材価格の高騰が続いており、生協食堂でも11月3日より、食堂メニュー価格を一部改定するとともに、以学館の朝食の提供方法が変わりました。みなさまのご理解と引き続きご利用よろしくお願いいたします。
<現行>
・価格 260円(税込)
・内容 お惣菜グラムバー/お惣菜ワンプレート盛り放題+ライス・みそ汁
<変更>
・価格 260円(税込)
・内容 おそうざいグラムバー
(200グラムまで)+ライス・みそ汁(通常のグラムバー利用に比較し、2~3割程度の割安価格となります。)
※200グラムを超えた場合グラム数に対して、1グラム1円(税込)の追加料金が発生いたします。
《朝食提供時間》
午前8時~午前9時半まで(従来と同じ)
幸せな人も、まだ予定がない人もステキな夜を☆
キッチン
唯一の肉親である祖母を亡くしたみかげが、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居する。日々のくらしの中、何気ない二人の優しさにみかげは孤独な心を和ませていくが…。続編「満月」と、短編「ムーンライト・シャドウ」も収録。三作とも、吉本ばなならしい透明感のある恋愛が、ていねいに描かれている。読んだ後に優しい気持ちになれる、永遠のベスト・セラー小説。
著 書:吉本ばなな
出版社:角川文庫
ライオンハート
離れた瞬間から会う瞬間を待ち続けている。生まれる前も、死んだあとも――。17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダ。いくつもの時代を必死に生き、時を越え、空間を越え、細胞に刻まれた想いだけを頼りに、男と女は何度も出会う。結ばれることはない関係だけれど、深く愛し合って――。求め合う二人の感情を精鋭・恩田陸が描く。異色のファンタジーラブストーリー連作集。
著 者:恩田陸
出版社:新潮文庫
放課後の音符
大人でも子供でもない、どっちつかずのもどかしい時間。まだ、恋の匂いにも揺れる17歳の日々――。背伸びした恋。心の中で発酵してきた甘い感情。片思いのまま終ってしまった憧れ。好きな人のいない放課後なんてつまらない。授業が終った放課後、17歳の感性がさまざまな音符となり、私たちだけにパステル調の旋律を奏でてくれる…。女子高生の心象を繊細に綴る8編の恋愛小説。
著 書:山田詠美
出版社:新潮文庫
つめたいよるに
たまご料理と梨と落語が好きで、キスのうまい犬のデュークが死んだ翌日乗った電車で、わたしはハンサムな男の子に巡り合った…。出会いと別れの不思議な一日を綴った「デューク」。コンビニでバイトする大学生のクリスマスイブを描いた「とくべつな早朝」。デビュー作「桃子」を含む、現実と幻想の境界を美しく描いた珠玉の21編を収録した待望の短編集。クリスマスを扱った作品も収録されているので、聖夜にぜひ。
著 書:江國香織
出版社:新潮文庫
他にもみんなのオススメは…?
『アヒルと鴨のコインロッカー』
初対面の青年が「本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的はたった1冊の広辞苑!? 清冽な傑作。
著 書:伊坂幸太郎
出版社:創元推理文庫
『永遠の出口』
誕生日会をめぐる小さな事件。ぐれかかった中学時代。くだけちった初恋。主人公・紀子の九年間を描いた物語。
著 書:森絵都
出版社:集英社文庫
『時をかける少女』
時間と記憶をめぐる事件が次々に起こり始めた。思春期の少女が体験した不思議な世界と、あまく切ない想い。
著 書:筒井康隆
出版社:角川文庫
衣笠キャンパス存心館地下にあるブック&サービスでは、皆さんおすすめの本の紹介を募集しています。
皆さんも、ポップカードを利用して、素敵な本を紹介してくださいね!
12月といえば、クリスマスのシーズンですね。そして、クリスマスに食べるものといえば…そう! ケーキです! そこで今月のアンケートでは、衣笠キャンパスとBKCの両キャンパスの学生に好きなケーキが何かを聞いて、ランキングにしてみました。あなたの好きなケーキはランクインしていますか? クリスマスに食べたり、贈ったりするためのケーキの参考にもしてみてください。アンケート結果は、次の通りです。
衣笠キャンパス
1位 タルト
2位
ミルクレープ
3位
チーズケーキ
他には、モンブランやレアチーズケーキ、ショートケーキ、チョコレートケーキなどがありました。
BKC
1位
チョコレートケーキ
2位
チーズケーキ
3位
フルーツケーキ
他には、ショートケーキやタルトなどがありました。今回は、上位3つのケーキに人気が集まりました。
今回のアンケートでは、女の子だけでなく、男の子もケーキについて、おいしいお店情報など、熱く語ってくれました。構内のカフェにもケーキがあるので、この機会に食べてみてください。BKCでは、12月の上旬にケーキバイキングが行われるので、ぜひ足を運んでくださいね。今回アンケートにご協力してくださったみなさん、本当にありがとうございました。
著者:小柳優斗
三
雨は治まることがなかった。文作は今、倒れた大木の隙間に身を埋め、雨を凌いでいる。夕暮れ時を過ぎた空はあっという間に暗くなる。その前に一夜の宿を見つけることが出来て良かったと、文作は思っていた。もしかしたら、治兵衛もこうして同じ場所で寝ていたのかも知れないなと、ふとそんな気持ちを抱いたりもする。文作は、静かに目を閉じた。
目を閉じると、様々なことが浮かんでくる。治兵衛との少年時代、次第に変わってゆくお互いの人生に気づいた時の動揺、治兵衛大峰山へ行ったきり戻ってこないことを知った時の胸を突き刺すような悲しみ、自身も大峰山へ行くと言った時の、周囲の反対の中で確かに見た、嫁の決意に満ちた目……それら一つ一つが、文作の頭の中を駆け巡っていた。立った一人暗い山の中で雨を凌ぐ今の彼にとっては、村での友との思い出、家族の顔を思うことこそが、何よりの慰めだったのである。思い出に浸ることで文作は闇の恐怖を忘れ、寒さを忘れ、安らぎを見出せた。文作の耳には今、振り続ける雨の音に混じって、楽しかった時代の友の笑い声が、川のせせらぎの音が、鳥の歌が、聞こえているのかも知れない。
思わず、彼は旧友に呼びかけていた。それは、ただ慕わしい友人を想っての言葉だった。
「治兵衛……お前一体、何処に居やがるんだ」
すると、まるで文作の言葉に返答するように、樹の隙間の外から声がした。
「おう、少し宜しいかな」
まさか返ってくるとは思わなかった言葉に、文作は驚き目を見開いた。そして、隙間から顔を出す。目に飛び込んできたのは、藍色の着物だった。彼の目の前に、男が立っていたのである。
網代笠を被っている為、男の顔はよく見えなかったが、彼が藍染の衣を纏っていることだけは分かった。如何やら、ずぶ濡れの様子である。雨に晒されているのに中に入って来ようとはせず、樹の前に突っ立っているばかりだ。その姿、そして重々しい声から、文作は眼の前の男が誰なのか悟った。僧侶――それも、托鉢僧らしい。
文作は躊躇いがちに、何か? と問うた。僧侶は文作を見ながら重々しく口を開く。
「拙僧は二日ほど前から峰入りしているのだが、昨日迂闊にも食料を落としてしまってな。或いは寝ている時に奪われたのかも知れぬが。兎に角此の侭では餓死するのが関の山だと思うて、誰かに助けて貰おうと探していると、運良く貴方の声が聞こえたのでやって来た次第なのだ。申し訳ないのだが、粟でも黍でも何でも良い。少しばかり、分けては下さらぬか」
文作は一も二もなく頷いた。餓えようとしている人を見捨てることなど、彼には考えられない。
「それは御困りで御座いましょう。粟程度しか御座いませぬが、お好きなだけお取り下さいませ」
そう言って、山盛りの粟が詰まった袋を一つ、僧侶に渡した。それほど多く貰えると思っていなかったらしく、僧は感激した様子で、地に頭を付けながら感謝の言葉を滔々と述べだした。
「忝き御言葉。御礼の仕様も御座いませぬ。何とも有難い有難い……」
文作は軽く首を振り、猶も頭を下げようとする僧を押し留めて、優しく言う。
「ご遠慮くださいますな。実は、私がこの山に来たのはある人を捜すためで御座いましてな。修行に来たわけでは有りませぬ。高尚な心がけを持つ方をむざむざと死なしてしまえば、末代までの恥となりましょう。私の行いもまた功徳となるならば、お礼を申すのは私の方で御座います」
「人探し? 貴方は人を探しにこの山に入られたのか。誰をお探しか」
土下座を文作に止められた托鉢僧はゆらりと立ち上がり、粟の袋を懐に入れながら問うた。
「治兵衛と言う貴方と同じ僧侶で御座る。私の旧友で、五年前から行方が知れぬので御座います」
「――何、治兵衛か」
僧侶はその名を口の中で反復すると、少し黙した。その姿が少し寂しそうに、文作には見えた。
「御坊、何かご存じか」
僧侶は答える。しかし彼の言葉は、文作の期待していたものではなかった。
「此処より南に半時ほど歩くと森を抜け、広い切岸に出る。景色の良い所じゃ。明日の朝、是非行ってみなされ」
文作は何が何だか分からなかったが、一応礼を言って頭を下げた。僧はにこりと笑い、
「礼を言うのは私の方。貴方と逢えて本当に良かった」
そして文作をじっと見つめる。その眼がとても温かいように、文作には感じられた。
「きっと、お友達もそう思うておる筈」
雨の中僧侶がにこりと笑ったように、文作には思えた。
四
翌日も天気は回復せず、小雨がしつこく降り注いでいた。しかし、歩くのに障害にならぬ程度である。文作は冷たい雨を浴びながらも、暁七つ時から黙々と山の中を歩いていた。目指すは僧侶に教えられた切岸。其処に行けば友が見つかる、そんな生易しいことを思っていたわけではない。薦められた以上一応は見ておこう、そんな思いがあるだけであった。半時ほどで着くということなので、文作の足ならすぐに行ける距離だ。
昨日の藍染衣の僧が言っていたことは本当だった。南に只管進み続けると、森から抜け出で、野原のように草の茂る切岸に出る。それほど広くはないが、眼前に広がる景色は正に景観。その美しさには、文作も思わず驚愕の声を上げた。薄く棚引く遠くの雲の下に、米粒ほどの大きさの家々が並んでいるのが見える。文作は端から端まで自分の目の届く範囲の景色を順々に見ていった。すると驚いたことに、東の遥か彼方には彼と治兵衛の住む村――彼らの故郷がはっきりと見えているではないか。文作の心は自然と弾み、胸中には温かい懐かしさが込み上げて来た。
村の見える方向へ、思わず一歩を踏み出しかけた文作。しかしすぐに、足元に転がっていた小さな石に躓いた。痛みに一歩を踏み出したまま立ち止まり、顰め面をして下を見る。そして目を見開かせた。
石ではない。彼の足元には、完全に白骨化した頭が転がっていたのである。
見ると、頭蓋だけではなかった。行き倒れであることを示すように、腕を上にあげたままの状態で骨が行儀よく並んでいる。そしてその骨は衣類を身にまとっていた。昨夜の僧と同じ、藍染の衣である。
文作は屈み込んで遺骸の衣を手に取った。それを裏返したり、彼方此方を探ったりしているうちに。彼の眼から大粒の涙が溢れて来た。
五年前治兵衛が出立する時、文作は名残惜しくなるからという理由で自身は見送らず、代わりに母親に見送らせていた。その際文作は母に、ある物を渡すように頼んだのである。小さなお守り。近くの神社で配られていたものを、その頃の文作が見よう見まねで作った物だった。それが、この白骨の首に掛けられているのだ。間違いはない――文作は頷く。此処で横たわる遺体こそ、旧友治兵衛のものなのだ。
涙に濡れた頬に治兵衛の頭蓋を押し当て、文作は眼を閉じた。そして、再び藍の衣に目をやる。昨日現れた僧が治兵衛であったことも、彼の遺体を目にして悟ったのである。はるばる自分を探しに来てくれた文作に、最後のあいさつをする為に、治兵衛は現れたのだろう。中に入ってこようとしなかった理由も、治兵衛の名を出した時、寂しそうな顔をしたその訳も、全て説明がつく。何よりの証拠に、昨日自分が僧に手渡した粟の袋が、遺体の掌にしっかりと乗っかっているのだから――。
文作は何度も何度も、治兵衛の名を呼んだ。勿論、骨は答えない。何の返事も返ってくる筈がなかった。しかしその代わりに――
……ちりん。
文作は背後に鈴の音を聴いた。さっと振り返る。切岸に面した森の奥、そこから文作は自分を見つめる視線に気付いた。その視線に籠る、昨日と同じ温かさを感じるまでに、時間は掛からなかった。
治兵衛がいるのだ、と文作は思った。
やがて目が慣れるに従い、治兵衛の姿が明瞭に見えてきた。鈴を鳴らし続ける治兵衛は小雨の中、藍染の托鉢衣を身に纏い、陽炎の如く佇んでいる。文作も治兵衛を見つめ返した。そして、涙に濡れた目でそっと治兵衛に笑いかけた。
「治兵衛……。お前は幸せなんだな。お前はいつも故郷を、俺達を見守っていたのだな」
治兵衛もにっこりと笑った。何か呟いているようなのだが、文作には聞こえない。しかし彼には、治兵衛の言っている事の想像が付いた。
……ちりん。
治兵衛が鈴を鳴らす。そして、一礼すると文作に背を向けた。突っ立ったままなのに、その姿は霞み始め、見えなくなっていく。最後には文作の見ている前で、治兵衛は掻き消すように消えてしまったのであった。
文作は空を仰いだ。旅の疲労感と一緒に、言葉に出来ない満足感がこみ上げていた。治兵衛は自分と共にいつもいる。いつもこの場所から、俺達を見ている――文作はそう思い、にこりと笑った。彼は歩き出し、治兵衛の眠る切岸を後にする。
柔らかい日差しと共に振り続ける小雨が今、とても愛おしかった。光の絹のような雨は、この山で小雨坊となって生きていく治兵衛を祝福しているように、文作には思えたからであった。